【幕末Rock】もう一度、ここから始めよう。【桂小五郎】

第一話 ページ1

貴「本当に、行っちゃうの?」

桂「すみません。ですが、必ず帰ってきます。」

貴「絶対…絶対帰ってくる?」

桂「はい!」

貴「…約束だよ、小五郎!!」

桂「Aも、忘れないでくださいね!!」


三年前、交わした約束。

先生を探す旅に、ロックを広める旅に出ると言い出した私の彼。

行ってほしくはないけど、彼の意思はもう決まっていた。

だから、約束した。

絶対に、私のところに帰ってきて、と。



彼はそれから、時々手紙を送ってくれた。

日常の事。

音楽の事。

晋作の事。

知らない街、知らない場所、知らないこと。


いっぱいのものを詰め込んで送ってくれた。


なのに。




いつからだっただろう。

貴「今日も来ない…」



小五郎から、急に手紙が来なくなった。

不安な毎日に耐えきれず、私は小五郎を探すことにした。



そして、今。


愛しい彼の姿を、ようやく見つけた。




けど。

貴「小五郎!!」

桂「どちら様、ですか?」

貴「――嘘、――な、んで…」


桂「……どこかでお会いしたこと、ありましたか?」


彼の記憶から、私は消えていた。

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