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息がつまる。
頭が真っ白になって、声もまともに出ない。
「っ…あの、」
「あんたどちら様？
うちの従業員に何か用ですか？」
淳太さんが、わたしと男の間に立ちはだかる。
男は淳太さんと二言三言、言葉をかわしながらも目だけでずっと、こちらを見ている。
「いやぁ、そちらの女性にお話を伺いたくてですね…」
「ほんなら会社通していただけますか」
「そうですか…ボクこういうもので」
男がジャケットの内ポケットから名刺を取り出そうとする。
「あの…ちょっと、お話するだけなら。」
「ゆりちゃん、ほんまに大丈夫なんか…？」
熱でボーッとする頭をなんとか働かせて、淳太さんに少し待ってもらうようにお願いした。
わたしがビルの階段に腰を下ろすと、それに向かい合うように男が通り脇の車止めにどかりと座り込んだ。
「すみませんねぇ〜…
ボク、ライターの新井と申しましてね。」
受け取った名刺には、誰もが知るほどの有名週刊誌の名前が印刷されている。
「＿＿藤井流星くん、知ってます？
彼のことについて色々お話聞いてるんですよぉ。
彼、よくこの辺りで目撃されてるから…」
ぎくりとした。
流星が今まで2度Jワークスを訪れた時、いずれも“たまたま近くで”仕事だったり食事だったりの帰りだったのだ。
「こちらにご勤務でしたら、
何かご存知ないかな〜って。」
嘘だ。
新井はさっき、わたしのことを“めだかちゃん”と呼んだ。
流星だけが呼ぶ、わたしのあだ名で。
何か嗅ぎつけてるんだ。
「今売り出し中でしょ、彼。
ぜひ面白いお話聞きたいなぁ……」
お話、というのはもちろんエピソードなら何でも、ということではない。
家族の話とか
過去の噂とか
女の影とか＿＿
心臓がドキドキする。
熱があるはずなのに、背中から冷えていくみたいだ。
「……知りません、何も」
喉がはりついて、それだけ言うのが精一杯だった。
「もうええでしょ。
この子は勿論、俺もこの辺りで藤井流星の姿なんて見たことないし。
他あたってくれますか。」
少し離れて様子を伺っていた淳太さんが、わたしの肩に手を置いて加勢する。
威嚇するように見つめられて、新井はたじろいたようだった。
「…わかりました。ご協力どうも」
男がきびすを返して遠ざかっていくのを見つめながらしばし、早鐘を打つ心臓を落ち着けていた。
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Lucio(プロフ) - かみやまつしま♪さん» キュンキュンしていただけてましたでしょうか！甘いお話を書くのが苦手なので良かったです；；；嬉しいお声ありがとうございます、最後までどうぞお付き合いください！ (2019年8月12日 22時) (
レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
かみやまつしま♪(プロフ) - 大丈夫です！ありがとうございます！キュンキュン、最近はちょっとハラハラしながら楽しませてもらってます！自分の知らないお仕事の裏側も見えて、すごいなって思っています！ (2019年8月11日 15時) (レス) id: 1532c3336c (このIDを非表示/違反報告)
Lucio(プロフ) - かみやまつしま♪さん» いつもお読みいただきありがとうございます！！名前変換ができてなくて、大変しつれいしました；；；修正しましたので、どうぞ変換しておたのしみください！教えていただいてありがとうございました！！！なにか不具合があればいつでもいおっしゃってください；；； (2019年8月10日 12時) (レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
かみやまつしま♪(プロフ) - 移行おめでとうございます！いつも楽しく読ませていただいてます！名前の変換ができないのですが、どうしたらいいでしょうか？ (2019年8月10日 12時) (レス) id: 1532c3336c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年8月9日 23時
