第27話 ページ16
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＿＿“うちの製品を消費者に届けるんも、デザインあってこそなんやなって”
＿＿“やから今日、梁さんに会うの、めっちゃ楽しみやった”
初めて会った日の会食で、小瀧さんがそう語ってくれた。
あのときのセリフが頭の中でリフレインする。
「小瀧さん、初めて会った時からきっと、わたしの仕事は決まってた。
あなたの背中を押すこと。
あなたの憧れを、叶えること。」
＿＿＿“実現しましょうよ。わたしに、何でも言ってください”
＿＿＿“小瀧さんのこと、もっと知りたいです”
あの時言ったことがいま、実現しようとしてるんだ。
「だから行ってほしいんです！
仕事にまっすぐな小瀧さんのことが、わたしは好きなんだから！」
はじめて、正直な気持ちをぶつけると、コンクリの壁の廊下に声が反響した。
小瀧さんの水分多めの黒い瞳が一瞬見開かれる。
けれど、すぐに切なそうにきゅっと細められた。
「…俺、言いましたよね。
上海行きをためらってる理由。」
“離れるんは、やっぱ嫌や”
あの言葉がずっと、ちらついていた。
「わたし…邪魔になりたくない…」
「邪魔なんて、そういうんじゃ…！」
大きくて暖かい手のひらが、わたしの両肩を掴む。
真正面にある端正な顔を見つめても、気持ちはフワフワするどころか、どこか落ち着いていた。
きっと、腹をくくったから。
「待ってます、ずっと。
離れてても、小瀧さんを思うから…」
瞬間、暖かいものに包まれて、視界が薄いブルーのYシャツの生地でいっぱいになった。
覚えのあるさわやかな香りがふわりと香って、小瀧さんに抱きしめられたことを知る。
「＿＿ゆりさん、やっと、答えてくれた…」
「うん…いえなくて、ごめんなさい。
わたし、臆病だった…」
ぎゅううと力を増す腕の中で身をよじって、なんとか小瀧さんの顔を見つめると、トロリととろけ落ちそうな黒目と目が合った。
「でももう、怖くないです。
小瀧さんが上海に転勤しちゃっても、何年でも待てるって、そう思えたから」
鼻の奥がじんわり熱くなる。
最後のほうは、声がうわずっていくのをどうにか抑えながら。
「な、なんなら、わたしが上海に行っても、デザイナーの仕事やろうと思えばできるし！」
「ゆりさん…」
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Lucio(プロフ) - かみやまつしま♪さん» キュンキュンしていただけてましたでしょうか！甘いお話を書くのが苦手なので良かったです；；；嬉しいお声ありがとうございます、最後までどうぞお付き合いください！ (2019年8月12日 22時) (
レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
かみやまつしま♪(プロフ) - 大丈夫です！ありがとうございます！キュンキュン、最近はちょっとハラハラしながら楽しませてもらってます！自分の知らないお仕事の裏側も見えて、すごいなって思っています！ (2019年8月11日 15時) (レス) id: 1532c3336c (このIDを非表示/違反報告)
Lucio(プロフ) - かみやまつしま♪さん» いつもお読みいただきありがとうございます！！名前変換ができてなくて、大変しつれいしました；；；修正しましたので、どうぞ変換しておたのしみください！教えていただいてありがとうございました！！！なにか不具合があればいつでもいおっしゃってください；；； (2019年8月10日 12時) (レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
かみやまつしま♪(プロフ) - 移行おめでとうございます！いつも楽しく読ませていただいてます！名前の変換ができないのですが、どうしたらいいでしょうか？ (2019年8月10日 12時) (レス) id: 1532c3336c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年8月9日 23時
