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「…そうなんや。」
「うん…」
「なーんか、感動の再会って感じやないん？」
なんでそんな思いつめた顔してんの？と神ちゃんに指摘される。
思いつめた顔…わたしそんな顔してたんだ。
「なんかあったん？」
あぐらをかいたまま、私の顔を覗き込んで聞いてくる。
神ちゃんの、コロンとした硬質な声は、心地よくて安心する。
「…気になってる人が、好きって言ってくれたの」
＿＿ゆりさんが好きです
何度あの声を反芻しただろう。
「嬉しいのに、怖い。」
迷っている、訳ではないと思う。
いつかこの気持ちは恋になるんだと、疑わなかった。
小瀧さんと流星という、仕事を通じて出会った二人。
小瀧さんといるとドキドキするし、気になる人だ。
流星のことは、これから大切な存在になる。そんな予感がしている。
まさかその二人から想いを寄せられて、突然どうしたらいいのかわからなくなった。
結局わたしは、怖いんだ。
自分の運命を、自分の手で選び出すことができるのか。
その自信がないから。
「情けない。こんなにも臆病だったなんて。」
食べきったアイスの棒をくわえたまま、ゴロンとスタジオの床に仰向けに寝転がった。
頭上には、壁一面を彩るあの熱帯魚たち。
自分もその一部になったみたいだった。
「臆病なのは、俺もやで。」
「え…神ちゃんが？」
意外な返事が返ってきて、首だけで神ちゃんの方を見やる。
神ちゃんも、金髪の厚い前髪の下から、優しい目をしてこちらを見ていた。
「好きな子に、気持ちつたえることができんかった。」
「…意外、かも。」
神ちゃんはやる時はやる男だ。
気持ちに正直に、告白だって、バシッと決めてそうだなんて勝手に思ってた。
「そらなー？いつでも言えるタイミングあったんやけど。
関係が気まずくなるのがいやで、甘んじてたんやな。」
座った姿勢から手を後ろについてた神ちゃんの目は、今は真っ直ぐに前を向いている。
「梁ちゃんには、気持ち持て余してほしくないな。」
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るーちょ(プロフ) - まっちゃさん» コメントありがとうございます！応援いただきとても励みになります(T-T)最終話までぜひお付き合いください。 (2019年7月19日 20時) (
レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - とても面白いです！ 応援してます！ (2019年7月19日 6時) (レス) id: 622cccb941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年7月8日 18時
