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「あ、お店、予約してもらってありがとうございました。」
「まかしてください!」
お店までの道を、小瀧さんと並んで歩く。
行き交う人たちの視線が、わたしの左上、小瀧さんの顔があるところに集中しているのがわかる。
からの、わたしの顔へ視線を移して怪訝そうにする人(もちろん女性)多数。
…だよねええ!
わかる、わかるよ?
言いたいこと、あるよね!?
でも、あからさまな “で、なんでお前!?” みたいなリアクションはさすがに来るもんがある。
「ゆりさん?…どうかしました?」
小瀧さんが、様子のおかしいわたしを心配そうに気遣う。
誰に何て思われてもいいや。
この人に笑っていてほしいから。
「いえ!小瀧さんと2人って、緊張しちゃって…
…へへ、仕事では平気なのに。
ちょっと、浮かれてるの。だから全然大丈夫。」
だから、笑ってよ。
そんな気持ちをこめてにっこりしてみせたんだけど、小瀧さんは右手で口元を覆って反対側を向いてしまった。
「……ほんま、どんだけやねん梁さん…」
「あ、呼び方戻った」
「もーうー!
俺かって緊張してるんです!」
「えー?さっきは余裕そうに“かわいいす(キメ顔)”なんて言ってきたくせに。笑」
「ゆりさんいじわるや!!」
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そうこうしているうちに、一軒のお店に着いた。
「ここです」
「え!ここ、わたしずっと気になってたんですよ!」
「あ、ほんま、っすか」
「わぁ偶然ー。すごーい。」
「……や、ほんとは、がっつりリサーチして決めました。」
受付の田村さんに聞いたんす…と、なぜだかばつが悪そうに照れ臭そうに言うから、
頑張ってくれたのかなって嬉しくなった。
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席に通されて、店員さんからおしぼりとメニュー表を受け取る。
ここはいろんなクラフトビールが飲み比べできる居酒屋さんで、おつまみもその土地に合わせた食材などを使っていてこだわっているという。
「わ〜〜何にしよう」
「あ、ほら出雲の地ビールもありますよ」
「ほんとだっ」
わたしが出雲出身っていうのを覚えてくれていて、地ビールを勧めてくれた小瀧さん。
わたしは地ビールを、小瀧さんはかわいいロゴマークのクラフトビールを注文した。
「「かんぱーーい」」
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るーちょ(プロフ) - まっちゃさん» コメントありがとうございます!応援いただきとても励みになります(T-T)最終話までぜひお付き合いください。 (2019年7月19日 20時) (レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - とても面白いです! 応援してます! (2019年7月19日 6時) (レス) id: 622cccb941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年7月8日 18時