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「あは。なんか、小瀧さんの笑ってる顔って、元気になる。」
「…!」
…ほんま、どんだけやねん梁さん。
どんだけ俺のこと喜ばすねん!
多忙の一因つくってるのは俺やのに…
健気で頑張り屋さんな梁さんにそんな風に言われたら、
背中を押されんわけがない。
「あの!
…今回の、広告の入稿が終わったら、お礼させてください。」
「え?」
「ご飯でもご馳走さしてもらわな割に合わんす!」
「いや…お代いただいてますし」
「ギャラ以上す!」
プロ意識の高い梁さんやから、個人的なお礼とかは断られるだろうと思っていたが、やはり食い下がられた。
でも、決めてん。
一歩踏み込んでみても、ええよな。
「じゃあ…小瀧さんにとっても大変な山だったし
打ち上げってことでどうですか?」
「…!
はい!やったー!」
持ち前の強引さでもって押し通すと、やっと梁さんが折れてくれた。
「ほな、またスケジュール決めましょね」
「はい。あ、お店選びは、小瀧さんにお任せしてもいいですか?」
「まかせてください!
全力で探しときます」
ビシィと敬礼で答えると、また梁さんがふふふって笑って、よろしくお願いします、と敬礼で返してくれた。
「じゃあ失礼します」
「ハイ!ありがとうございました!」
梁さんの背中が正面入り口から見えなくなるまで見送る。
今俺めっちゃにやけてるんやろうなあ。
仕事に戻ろうと振り返って受付の前を通過しようとすると、
田村さんたちがニヤニヤしながらこちらを見ているのに気がついた。
「お、おつかれっす…」
「小瀧く〜ん。
梁さんデートに誘えたんだあ〜〜??」
やるじゃん〜なんて言って盛り上がってる受付嬢のおふたり。
「田村先輩は、ゆりさんと飲みに行ったりしてるんですよねえ?」
「そうそうそう。
梁さんが行ってみたいって言ってたお店、あるのよねえー」
「……田村さん!さすがすぎます!!」
さすがオフィス周りの人間模様を知り尽くしている受付嬢。
情報収集に余念がない!
「受付一同は、小瀧くんの恋を応援しています」
「田村様〜!なんでそんな親切なんですかあ(;_;)」
「なんか面白そうだから☆」
完全に面白がられとる。
けど、応援してくれる人がおるとやっぱり心強い。
加速して、もう止まらへん。
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るーちょ(プロフ) - まっちゃさん» コメントありがとうございます!応援いただきとても励みになります(T-T)最終話までぜひお付き合いください。 (2019年7月19日 20時) (レス) id: 5adc9338ef (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - とても面白いです! 応援してます! (2019年7月19日 6時) (レス) id: 622cccb941 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年7月8日 18時