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「小瀧さん、見てみたーい会ってみたーい。電話だと爽やかなイメージだよねえ。実際どうなの?」
とたんに小瀧さんに興味津々な今井様に、説明しないわけにはいくまい。
「いやそりゃあ…かっこいいですよ。」
「ふんふん?」
「背も高いし。」
「ほおー!」
「仕事大変な時に、さりげに気遣ってくれてるの、わかってるし」
「いいじゃんいいじゃん」
「頼られると、応えたくなる」
田村さんもわかるわかるって顔で聞いている。
「そっかあ。ゆりちゃん、仕事人だもんね。
で?進展ないの?」
「一緒にスープカレー食べました」
「色気ないなあー」
「色気っていわれても…」
私が美味しそうに食べるところを、ニコニコとうれしそうに見ていたっけ。
__“ふふ、うまいすね”
__“頭ぽんぽんってしていいですか?”
そう言って笑った小瀧さん。
「……初めて顔合わせした時から、…小瀧さんのあんな顔に、なんか元気もらうんですよね」
いきなり脈絡をなくした私の話を、2人がじっと聞いている。
わたしはいまどんな顔をしてるだろう。
初めて会った日、デザインの魅力を語ってくれた、きらきらの笑顔を思い出す。
小瀧さんが目を細めて笑うと、
黒目がとろけてそのままこぼれ落ちそう。
ああ。
「ふふ…始まってる?」
「こーれーは始まってるわね」
ふたりの楽しそうな会話がこしょこしょと聞こえてきて、くすぐったい気持ちだ。
ぬるくなったビールを飲み干して、空になったジョッキを頰にあてる。
あつい。
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年6月9日 14時