第11話 ページ34
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meanの初校も提出したし
スチル撮影も終わったし
ひさびさに定時で帰れます！！！
「いつぶりだろ定時〜〜」
「なんやウキウキやんけ〜？」
「そりゃね〜！」
まだ残業があるらしいしげちゃんにジト目で見られるが、そんなので怯むわたしじゃない。
ここまで社泊までして頑張ってきたんだもん。
「ゆりちゃん、たまには羽のばしてきいや。」
「ハイ！いってきます淳太さん〜」
「明日からまたフル稼働でたのむでー！」
うっ…人が羽伸ばそうとしてる時になんてこと言うんですか桐山さん…
「それじゃあ皆の者、
ゆりちゃんはわたしが連れてくからね〜〜」
今井様がわたしの腕を組んで言う。
今日は、わたしと今井様、そしてやたらとウマが合う西緋の受付嬢、田村さんの3人で女子会なのです！
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「「「かんぱーーい」」」
地元のサラリーマンに人気の居酒屋で、あえての女子会。
いつもお洒落な田村さんの意外なチョイスでここに連れてきてもらった。
「ねーー藤井流星の撮影どうだったのー？」
「あ！私も聞きたい！かっこよかったでしょ？」
今井様がはやく聞きたいオーラを隠さず切り出すと、田村さんも身を乗り出す。
「どうって…印象と違いました。なんか、ゆるふわ？な感じ？」
天然っていうか。
「へえ！さすがにドラマの感じとは違うんだぁ」
「役では硬派なイメージだったわよね？」
わたしはTVあまり見ないから知らなかったんだけど、藤井さんは4月クールのドラマに出ていた。
甘く切ない三角関係が話題のドラマで、傷ついたヒロインを甲斐甲斐しく支え続けるのが藤井さんの役どころだった。
主人公の男の子と、人気が二分していたんだそうだ。
「ねぇねぇねぇ。
もしさあ、同じくらいかっこよくて、同じくらい性格も合って、同じくらい好き！って伝えてくれる2人から言い寄られたら…どうする！？」
お酒が入ってご機嫌な今井様が、ドラマと同じシチュエーションを想定したお題を出してくる。
「えーーー！！」
「むりえらべないー！！」
おそらく実現し得ない妄想で、本気で悩む。それが女子会。
「私は経済力で選ぶわね 。」
「ハイ！私は身長！高ければ高いほどいい！」
結局高身長であれば大抵の問題は解決すんだから！という持論を展開した今井様が、「ゆりちゃんは？」と伺う目線を向けてくる。
わたしは…
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年6月9日 14時
