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「すぐ見つかって良かったですね」
「ありがとうなあ〜」
「じゃあ、はい」
「?」
わたしのスマホの発信履歴画面を表示して、藤井さんに手渡す。
芸能人だし、番号知られなくないだろうなって…
はじめ藤井さんはきょとんとしていたが、自分の手で消去した方が良いだろうからと、消してもらうように促す。
「あぁ…ありがと。」
履歴を消去すると、ホームに戻ったスマホの画面を見つめて、
今度はわたしの顔を見て、じっとしてる藤井さん。
「藤井さん?
ハイ、返して…」
手を出すと、ヒョイっと取り上げられてしまった。
…うん?なに?
「え、返してくださいって」
「あっは、デザイナーさん、ちさいなー」
「なに?やめ、てって!」
高身長の藤井さんがスマホを持った手を上に上げると、わたしなんかとても届かない。
なんとか取り戻そうと、ぴょんぴょんとまとわりつくようになってしまう。
わたしが必死になると藤井さんは余計面白がって、スマホを持ったのとは反対の手をわたしのおでこに当ててぐぐぐと遠ざける。
負けじとぐいぐい手を伸ばすわたし。
「ぷっ。池野めだかみたいなってるやんw」
「ちょwやwめwてw」
「ぅははは、めだか師匠やw」
なんだかわたしも笑えてきちゃった。
カラのスタジオで、大人2人がふざけあうこの絵はなんともシュールだ。
「はー、もう!」
「ごめんごめん!はい。」
やっとスマホが戻ってきたと思ったところで、タイミングよく(?)小瀧さんたちやマネージャーさんが戻ってきた。
「梁さん!すんません、お待たせしました!」
「あれっ。流星さんここにいたんですか。帰りますよー」
藤井さんは、マネージャーさんに「携帯持ちました?」なんて聞かれてる。
ぷぷ。
「じゃ本日はありがとうございました!
明日もよろしくお願いいたします!」
村上さんが言うと、プロダクションの方やスタジオの方と順番に挨拶をした。
「ほいじゃーな、めだかちゃん」
「めだかじゃないですって」
「ははは!おつかれさん!」
スタジオの出口へ向かっていく背中を見送る。
なんか、タレントさんも事務所の方もいい人そうだなぁ。
良かったぁ。
「めだか…ってなんなんですか?」
「そこは気にしないでください。」
小瀧さんはちょっと怪訝な顔をしていた。
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作)若い世代の方でも分かりますよね?( ˘ω˘ )池野めだか師匠……
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年6月9日 14時