第8話 ページ24
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みなさんお久しぶりです。
西緋のマーケティングから開発に移動した、濱ちゃんこと俺です！
異動してからだんだんと任される仕事も増え、一から始める新入社員の気持ちでなんとか頑張っとるわ。
まあ、マーケ経験しとると開発のやることもわりと分かる部分あるけどな。
いまは、出張先の福岡から帰ってきたところ。
カバンやら紙袋をぶら下げて通い慣れた道を歩く。
向かったのは、自分の会社ではなく、2階建ての建物の2階部分にあるとある事務所。
午後8時も少し過ぎたところ、いまだ煌々と稼働中。
“株式会社Jワークス・デザイン”
そう書かれた案内板が置かれたドアの、インターフォンを押す。
＿＿＿ピンポーーン…
“はーい、いらっしゃいませ”
「どおも〜西緋の濱田ですー。」
“あらっ。濱田さん？
今開けますね！”
聴き慣れた声ががして、応接室ではなく制作室に通される。
これまでに何度も来たことがあるが、所狭しと資料や紙類が置かれており、
急に来といてこう言っちゃなんだが、相変わらずごった返しとる。
「ゆりちゃん、なんかもう久しぶりやな！」
「お久しぶりですー
わあスーツだ！」
「スーツあっついねんー」
制作室に入ると、当然というかめっきり会うこともなくなったゆりちゃんに出迎えられた。
そういやゆりちゃんと仕事するときはスーツ着てることなかったな。
久々の再開にワイワイキャッキャしてると、ミーティングルームから出てきた照史と淳太も加わる。
「おー！濱ちゃんやん」
「おっすー。急に来てスマンな。きょうはしげはおらんの？」
「納品に行っとっていまおらんねん」
「ほうなんー？」
すっかり気心知れたメンバーに、出張で引き締めていた気持ちも若干緩む。
「で、濱ちゃん今日どしたん？」
照史に言われて来訪の目的を思い出した。
ぶら下げていた紙袋を手渡す。
「出張帰りに寄ってん。これお土産〜」
「えっほんま？わざわざすまんなー
ゆりちゃん、お茶出したって！」
照史が言うと、ゆりちゃんが席を立って給湯室へ入っていった。
「はーい。」
「あ、おかまいなくー」
「ほなちょっと休憩にするかあ」
淳太が声をかけると、
作業台の上にあったものをざざっと端に寄せて、みんなでお茶とお菓子を囲んだ。
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年6月9日 14時
