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撮影のスケジュールを手帳に書き込んで、また打ち合わせに戻った。
小瀧さんが制作物の一覧を見ながら、ひとつひとつスケジュールを確認していく。
「えーと、“アルコ”の什器ですけど、ドラッグストア用と専門店用で2種お願いします。」
「わかりました。ポスターはどうします?」
「デザインは共通でええんすけど、サイズ違いで入稿してもらわなあかんので…」
「じゃあ、ベースはA1サイズで作っていったらいいですかね?」
あれこれと打ち合わせをしていくとすぐに時間が経ってしまった。
「じゃあよろしくお願いしますっ」
「かしこまりました!」
ミーティングルームを退出し、小瀧さんに先導されロビーへ出る。
「あ!沖田さん、お疲れ様です」
受付まで来たところで、小瀧さんが先輩らしき人に声をかけた。
「小瀧!お疲れさま
村上課長から聞いたよ〜。頑張ってるって?」
沖田さんと呼ばれたその人は、パリッとしたスーツをまとっている。
おそらく営業の人なんだろう。
小瀧さんの部署はクリエイティブな人たちと関わることもあり、好き好きな服装をしている人が多い。
今日の小瀧さんもおしゃれで、ネイビーのスタンドカラーのシャツにベージュのタックパンツを合わせている。
「梁さん、営業時代の先輩の沖田さん。
沖田さん、こちら、Jワークスのデザイナーの梁さんです」
「お世話になっております。」
紹介されて挨拶する。
フッと微笑まれて、わぁかっこいいなあなんて思ってしまった。
「あぁ、小瀧が迷惑かけてませんか?
けっこう強引なところあるでしょ」
「ちょ!
余計なこと言わんとってくださいて!」
小瀧さんが慌てた様子で間に割って入ってくる。
まあ、パピーアイにはだいぶ振り回されそうだけど、迷惑ってほどではないしな〜〜
「そんなそんな。
いつもお気遣いいただくので助かってます」
「それ聞いて安心しました(笑)
じゃあ小瀧、頑張れ!」
そう言って、わたしに「じゃあ失礼」と会釈して去っていく。
「先輩から愛されてるんですねー」
「やー。沖田さんには、毎日口すっぱく小言も言われとったんですよー?」
なんか想像つく。
飼い主と仔犬みたい。
「…あはっ。可愛がられてたんじゃないですか。」
「梁さん今失礼なこと考えてませんでした?」
「ぜーんぜん(^^)」
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作者名:Lucio | 作成日時:2019年6月9日 14時