4話 ページ11
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打ち合わせが終わり、会食はいつも営業の桐山さんだけなので、わたしは会社に戻るつもりでいた。
製品形態の変更もありえるっぽいし、少しでも作業を進めないとって。
でも小瀧さんに押し切られてしまって…
“梁さん行かへんのすかぁ…”
って、あんな子犬のような目で見つめられたら…(汗)
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「ほいじゃ！かんぱーい！！」
その小瀧さんは、今やご機嫌で乾杯の音頭をとってる。
人たらし…？
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「梁さん、お酒飲まないんですか？」
居酒屋に移動し、わたし以外の3人は生ビールを飲んでるけど、わたしはノンアルにした。
「今日は、一応また会社もどるつもりで。」
「あ…なんかすいません。いろいろと無理言って…」
結局ジェルの形態をどうするかは曖昧なまま、両方のパターンでデザインを進めることになった。
さっきまでウキウキだった小瀧さんが急に申し訳なさそうな表情になる。
だからそのパピーアイをヤメて……！！
「いえいえ！わたしは全然大丈夫ですから！」
「でも、ただでさえデザイナーさんは忙しいですよね…？」
「そんな、このくらい平気です」
なんとか小瀧さんに気遣われないようにと振る舞うのだけれど、今なんと言っても無駄な気がする。
「串盛り合わせお持ちしましたー」
ちょうどいいところ(？)に店員さんが料理を運んできて、気まずい空気が途切れた。
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「ほーいゆりちゃん、飲んでへんのやからせめて食えー」
「わーいやきとりー」
濱田さんがすすめてくれて、上機嫌で焼き鳥串に手を伸ばす。
あーこれでアルコールがあれば…
「小瀧くん、こう見えてゆりちゃん中身オッサンやでww」
「ちょい、余計なこと言わないでくださいよ？」
桐山さんがなんか言い出した…
「えっほんますかー？」
「休みの日とか一人で唐揚げ屋さん行って店の前でビール飲んでるもんなあ？」
「うーるーさーいーやめてくださいって」
事実なんだけど、初対面のひとに言うことじゃないでしょ！
「えーギャップ！てかめっちゃええですやん！」
そして小瀧さんはなぜ急にテンションあがってるの？(笑)
「梁さん、今度はアルコールありでいきましょ！」
「はぁ…わたし基本、生生焼酎水焼酎で全然可愛くないですよ」
「うーーわ、めっちゃええ！ww」
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作者名：Lucio | 作成日時：2019年6月9日 14時
