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♪♪〜〜♪〜♪♪〜〜〜〜
声が響く。
鼻に抜ける甘い声。
あの日、俺を救ってくれた甘い声。
幼い俺に光をくれた俺の───赤の歌うたい。
柔らかに深緑の中で揺れる赤。
緑の隙間から射し込む木漏れ日を受けて、まるでプリズムのように赤が光る。
キラキラと光るそれは、ミツの回りに漂って儚く消える。
まるで、ミツの……触れたら壊れてしまいそうな繊細な心の欠片のようで。
ねぇ、ミツ……
その強さで、俺を守ってくれたよね。
いつも。
どんなときも。
強くいてくれてありがとう。
助けてくれてありがとう。
だから、今度は俺がミツを守りたい。
ミツの盾になりたい。
「俺、ミツの声好きだよ。」
小さく見えるその背中に声をかければ、少し驚いた顔で振り返ったミツが目を丸くする。
だから俺は笑って、少しだけ……そっと。
「でも、ガヤと一緒に歌ってるミツの声はもっと好き。」
「っ、……」
「二人の声が響いたら、俺何でも出来る気がする。」
「たま……」
「格好いいんだよね、正に相棒って感じで。」
「っ!?」
その背中を押す。
間違ってないから。
二人は本当に求めあっているから。
ミツ。
ちゃんと見て。
目を背けないで。
ガヤをちゃんと見て。
俺は。
その為なら、この身を差し出すことも厭わないから。
あの日、全てに限界だった俺を絶望の淵から救い出してくれたミツの幸せの為なら。
不意に隣を歩いていたミツが足を止めて、深緑の緑を振り返る。
そこに、心を残していこうとしているように見えた。
ミツ自身は気付いているだろうか。
何でかわからないけれど、ミツがあの歌を歌う時は必ずがその姿が霞の向こうへ消えそうに見える。
昇華出来ない想いをその歌に乗せているように見えるんだ。
あの学舎で、何度も何度も歌ってきた練習歌。
ふわりと色付く赤の歌声。
揺れて。
漂って。
空へと溶ける。
俺の──────赤の至宝。
他でもないミツの笑顔の為に。
俺は俺の出来ることするよ。
俺、約束したよね。
─────いつか、必ずミツに恩返しするから……。
俺が必ず、ガヤをミツの元に帰してみせる。
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流華(プロフ) - 充瑠さん» 充瑠さーん♪お久しぶりでーす♪♪わぉ、ロケ地に行かれたんですか!?羨ましいー( ☆∀☆)私も行きたいなぁ。頑張って更新していきますねー♪ヽ(´▽`)/ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - ここさん» ここさん、こんにちは。コメントありがとうございます♪藤北さん……拗れてまさからね(笑)どうなることか(^_^;)頑張りますので、今後もよろしくお願いいたしまーす(*´∀`)♪ (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - 椿さん» 椿姫……(笑)喜びの舞だったり、机の角で頭ぶつけたりと忙しいな(笑)ああ、卓袱台返しの準備もするんだっけ?(笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
流華(プロフ) - SIZUKUさん» SIZUKUさーん♪♪いつも、ありがとうございますー♪ヽ(´▽`)/ゆっくり進んでます(笑)そうです、お墓ですよ。あれが、誰のお墓なのか…。ポイントですね、それ(笑)伏線……回収出来るはずです(たぶん/笑) (2018年10月26日 13時) (レス) id: b5b973b1e3 (このIDを非表示/違反報告)
充瑠(プロフ) - 流華さーん!!お久しぶりです。いよいよですね!実はこの夏に、ロケ地に行ってきまして。まだ記憶も鮮明なので、今後が楽しみです^^いつまでも待ちますー (2018年10月21日 0時) (レス) id: 5cca4c3768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流華 | 作成日時:2018年6月8日 11時