3話 ページ5
クリスside
今日は、世界一クラブのみんなでコンビニに来ています。
徳川くんは誘う前に帰っちゃったけど、三人でも楽しいものね。…やっぱり、五人揃っていた方がいいけれど。
「ねえ見て！これさ、今日発売のスイーツなんだよ！」
「えっ！何それ、めっちゃ美味しそうじゃん！健太、あたしのも取って！」
冷気を放つ棚の前で、美味しそうなスイーツを覗き込む健太とすみれ。
「健太、わたしのも取って…っ、あ…」
健太に自分の分を取ってもらおうと声を上げかけて、思わず息を飲む。
突然黙ったわたしを不思議そうに見て、健太とすみれがわたしの視線を追った。そして、同じように硬直する。
コンビニの入り口で、今まさに徳川くんが入店したところだった。
徳川くんはわたしたちを見て目を見開き、踵を返そうとする。だけど、もうすでに後ろから人が入ってきていて、仕方なくと言った様子で店内に入った。
もちろん、すみれが黙って見過ごすことはしなくて。
「光一…」
と声をかけた瞬間、店内に凄まじい銃声が鳴り響いた。
誰もがびくりと体を震わせ、音のした方向を凝視する。そこでは黒いパーカーのフードを被った男の人が、天井へ向けて銃を構えていた。徳川くんの、すぐ後に入った人だ。
「全員、ひざまずけ。スマホ類を床に捨てろ。そこの店員、自動ドアを止めろ。棚でバリケードを作れ」
低い声でそう脅す男。指示された店員さんは、涙目になって裏へ引っ込んでいった。しばらくして出てくると、言われた通りに棚を移動させる。
「まさか…」
徳川くんが、掠れた声で言葉を発する。
「コンビニ、強盗…？」
そう結論づけた徳川くんに、すみれが近寄る。
「ねえ、光一！こいつ、あたしらのこと無事に返すと思う？」
「…どうだろうな。下手をしたら、人質として警察から逃げるために使われる」
淡々と答える徳川くんに、すみれは言った。
「だったらさ。…あたしたちで、解決しようよ。今までみたいにさ。和馬はいないけど、あたしらでなんとかしよう」
しばらくの沈黙を経て、徳川くんが口を開く。
しかし、わたしたちの会話に目敏く気づいた男の怒声によって、掻き消されてしまった。
「うるせえよ、そこ…黙れ！」
…どう、すれば…。
続く (更新停止中)
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りんご◎ - 面白いので、更新頑張ってください (2022年8月9日 12時) (
レス) id: 088b936db2 (このIDを非表示/違反報告)
たまご - 九十九夜瑠さん» ありがとうございますぅ！ (2022年5月6日 17時) (レス) id: 28ca9da869 (このIDを非表示/違反報告)
九十九夜瑠(プロフ) - プロローグのつかみが凄く上手ですね！面白かったです。イベント参加ありがとうございましたm(_ _)m続き楽しみにしてます！ (2022年5月5日 20時) (レス) id: 569fd15754 (このIDを非表示/違反報告)
春桜 - 自我が無い＝人形 ってこと？なにそれ、大好き。無理。ﾀﾋぬ。てか光一、大丈夫かな…。あと、凄く泣けそう。画面前で泣きそうだった…(x_x) (2022年5月4日 18時) (レス) @page3 id: 45a95b1035 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 泣かせに来てるんですか?泣かせに来てるんですね分かります。ありがどうござびます(半泣き) (2022年5月1日 21時) (レス) @page1 id: a725f7a9a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たまご | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/novel/suikahqd/
作成日時：2022年5月1日 17時
