艶美な微笑の裏側に【中原中也】 (ページ27)

今日:5 hit、昨日:14 hit、合計:2,545 hit

twenty‐six ページ27

・

・・・そう、命令したはずだ。

だが男は一向に眠らない。

どうして。発動条件は満たしていたはず。

まさか、ここにきて、＿＿＿＿異能力を制御できていない？

私がこの状況に少なからず困惑していると、男は私のブラウスの牡丹に手をかけ始めていた。

『っ！やめてっ。』

私は、仕方なく格闘術で男を気絶させようと決断した。

そのとき、

「なにをやっている！」

資料室に声が響いた。男の声だ。

私に手をかけていた男は、その声にびくりとし、私を放す。

私はすべての状況を理解した。そして、腰が透けたように崩れ、座り込んだ。

私を襲っていた男は、入ってきた男に睨まれそのまま資料室を出て行った。

よって、ここには、私を入ってきた男の二人。

「大丈夫かい？」

そう私に声をかけたのは、

＿＿＿＿この組織の長で、東(あずま)と呼ばれている男だった。

私はこれを好機とみて、演技に徹した。

『っ．．．ええ。大丈夫です。助けていただきありがとうございます。』

そういって、弱々しく立ち上がる。

『あっ』
いまだ腰が抜けているように、彼にもたれるように倒れる。

『すみません．．腰が、抜けてしまって。』

魅せろ。

そして、やり遂げるんだ。