七話 ページ10
ショコラ「えへへ。
こうやってマユさまと
お話出来るなんて、夢のようです」
(私の名前を知ってる……)
マユ「……本当に、ショコラなの？」
ショコラ「はい！ボクは正真正銘、
ショコラです！
学院長さまに、マユさまの
使い魔にしていただいたんです」
マユ「使い魔……」
ショコラ「さあ、まずはのんびり
シャワーでも浴びてきてください。
マユさまは、出掛ける前に
お風呂に入るのがお好きですもんね！」
？？「ん、………」
？？【アッ、ルイ起キタ？】
マユ「え？」
ベッドの方を見ると、昨日見た
真っ黒な服に身を包んだ子が、ムクリと
起き上がっていた。
その子はグルリと辺りを見回して、
私と目が合った。
？？「……」
マユ「……」
？？「……」
マユ「……」
…………き、気まずい…！
そう思った矢先、その子は私からフイッと
視線を外して、お人形を抱えた。
？？【オハヨウ！ルイ！
ヨク眠レタ？】
ルイ「うん」
？？【アレ？ボクタチ、喋レルヨウニ
ナッテル！ドウシテ？】
？？【学院長サンガ、ボクタチヲ
ルイノ使イ魔ニシテクレタノ！
ダカラ、ルイト沢山オ話出来ルヨ！】
？？【ホント！？ヤッタァ！
アハハハハッ！】
テンションの高いお人形のやり取りに、
ただただ呆然とする。
その時、不意にルイって人の顔が
チラリと見えた。
(……す、凄い汚れてる…！)
何をしたらそこまで汚れるのかと
聞いてしまう程に、ルイさんの顔は
汚れていた。
これは、お風呂に入った方が良いのでは…？
マユ「あ、あの……」
？？【ン〜？ドウシタノ〜？】
マユ「良かったら、先にお風呂どうぞ」
そう言うと、ルイさんは何も言わず、
代わりにお人形が答えた。
？？【オフロ？オフロッテ何？】
マユ「えっ？」
？？【ボクタチ、ソンナノ知ラナ〜イ！】
お風呂に入ったことがないって…。
動揺しながらも、お風呂について
簡単に説明をする。
？？【ヘェ〜！】
マユ「頭もスッキリするし、
リフレッシュ出来ると思うよ」
？？【ルイ、ドウ？】
ルイ「……気になる」
？？【ジャア、ハイロウ！】
マユ「あ、ち、ちょっと待って！
その……びしょ濡れに
なっちゃわないかな…？」
？？【ボク達ハ平気ダヨ？】
？？【コレクライドウッテコトナイヨ！】
そう言ってお人形達はルイさんを連れて
お風呂場へ行ってしまった。
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