三十話 ページ33
リント「俺の従者の
チーノ」
?「!」
マユ「チーノさんというんですね。
初めまして、関口マユです」
?「これはこれはご丁寧に……
ですが私、本当はチーノではなく、
ティーノといいます」
マユ「え……?」
ティーノ「リント坊っちゃんは昔から
チーノとお呼びになっていて、
直してくださらないんです。はは……」
リント「チーノはチーノだから」
ティーノ「ああ、リント坊っちゃん……
またパンしか食べていないんですね」
リント「……」
(それは私も、ちょっと気になってた)
ティーノ「肉や野菜も食べないと栄養が
とれませんよ。
ほら、面倒臭がらず」
(え?面倒だからパンだけなの?)
ティーノ「Sランクのカフェテリアから、
極上のステーキ肉を運んでまいりました」
(お、美味しそう……っ)
リント「ふーん」
(興味なさそう………って、あれ?)
マユ「リントさん、何をしているんですか?」
リントさんは先程から下を向いて
腕をゆっくり動かしていた。
リント「寝てるから、膝貸してた」
マユ「ルイくん!?」
ティーノ「おや、この方はルイという
お名前なんですね」
リントさんの膝上に頭を乗せ、他の椅子に
体を乗せて眠っていたのは、
いなくなっていたルイくんだった。
お人形達も、ルイくんの側でスヤスヤと
寝息をたてている。
リント「廊下で会って、連れてきた」
マユ「そうだったんですか……」
(でも、見つかって良かった)
ティーノ「ほらリント坊っちゃん、
ちゃんとお食べください」
チーノさん改めティーノさんは、
フォークで刺した肉厚のステーキを
リントさんに渡す__かと思ったのに、
リントさんは当然のように口を開けた。
(自分で食べないんですね?!)
しかもティーノさんは失敗して、
リントさんの口の端がソースで汚れる。
ティーノ「ああ!すみません
リント坊っちゃん〜!
すぐに拭いますので、どうかそのままで」
リント「ん……」
(…………親子ですか???)
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