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二十一話 ページ24

リオ「ああ。やる気って
いうか、講師が__」



言葉の途中で、ドアが開いてすらりと
背の高い男性が入ってきた。



(あの人!昨日の……)

ロイ「皆さん、おはようございます」

女子生徒たち「「おはようございます!」」

(えっ!?すごい完璧なハモり……)

ロイ「ふふ。初級魔法のクラスは、
今日も元気ですね」

マユ「あの人が、講師なんですか……?」

リオ「おう。ロイ・レヴィアっていうんだ。
ロイはSランク生だからな。
生徒として授業を受ける時間が少ない代わりに
Aランク以下に教えることで魔力の腕を
磨いてるんだ」

(Sランクの人は、他とレベルが
違うってことか)

リオ「あと、ロイはレヴィア国の
王子なんだぞ」

マユ「えっ」



またここにも、プリンスが一人……。



(ガイって人は怖い印象ばっかりだけど、
あの人は『ザ・王子様』って
オーラがあるな)



昨日会った時は状況が状況だったので、
そんな風にはまったく思わなかった。

けれど今改めてロイという人を見ると、
王冠をかぶり、にこやかに民衆へと
手を振る姿が容易に想像できる。

彼はゆったりとした足取りで教壇の前に立ち、
優雅な所作で襟元を正して笑みを深める。



ロイ「……」

(あ、目が合ってる……?)

ルーン【コッチ見テルネ?
正確ニハ関口マユサンヲダケド】

ルナ【ドウカシタノカナ?】



それだけじゃなく軽く手を振られた。

途端に前列の女子生徒たちが
こちらを振り返る。



女子生徒1「誰、あの子」

女子生徒2「どうしてロイ様が手を……?」

(凄い眼光……っ)

ルナ【怖イネ、ルイ】

ルイ「うん、ちょっと怖い」

リオ「はは。やっほー、ロイ」



私に向けられた不満をあえて無視するように、
リオはひらりと手を振り返した。



女子生徒1「なぁんだ。リオ様への
挨拶だったんですね」

女子生徒2「一国の王子様同士ですものね。
仲がよろしくて、羨ましいわ」

(え??)



彼女たちはあっさり前に向き直った。

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作者名:柚子胡椒の化身 | 作者ホームページ:ないっす  
作成日時:2018年7月29日 0時

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