【及川徹落ち】18000キロメートルの恋 2nd【黒尾鉄朗】

二股してるんだよね ページ22

A｢私さぁ…二股してるんだよねぇ…｣

金田一｢ぶふっ！！！｣


私の言葉に、金田一が飲み物を吹き出した。

ーー時は少し遡る。

夕方になり、私達は解散することにして、それぞれ岩泉の家を後にした。
その帰り道、部活終わりで帰宅中の金田一と国見ちゃんとバッタリ出くわし、話をしていた流れでファミレスへとやって来たのだった。


国見｢汚ねーな…｣

A｢まったくもー仕方の無い子ねぇ金田一ったら…｣


ペーパーナプキンを数枚引き出して金田一に手渡す。

金田一は、すみません…と受け取って口元を拭き、それから顔をはっとさせた。


金田一｢二股って何すか！？｣

A｢そのまんまの意味だけど｣

国見｢頭悪いのかよ｣

金田一｢国見は少しは動じろよ！何だよその落ち着きっぷりは！？｣

A｢まぁまぁ、落ち着きな金田一｣

金田一｢落ち着いてられませんよ！A先輩が…A先輩が及川さんの他に男作ってたなんて…！｣

A｢は？｣


金田一の言葉の意味が分からず首を傾げる。
すると金田一も、え？と同じように首を捻った。
少し考えると、

あ。そうか。誤解してるのか金田一は。

と、気がついた。


A｢…ごめん。言い方が悪かった｣

金田一｢え…？｣

A｢東京で国見ちゃんのようなオアシスを見つけてしまって、国見ちゃんというかけがえのない存在がいながらも、その子を可愛がってしまってる…って話をしたくて…｣


金田一は目をぱちくりとさせた。
それから一拍置いて、片手で額を覆った。


金田一｢紛らわしい言い方しないでください…｣

A｢でへへ。ごめんごめん｣

金田一｢心底ホッとしました…｣

A｢私が徹以外の人を好きになるわけがあるまいよ｣

金田一｢そうっすね！｣


パッと表情が明るくなった金田一に、そうそうと頷いた。

なびくはずが無いんだよ。
徹以外の人になんて。

…でも、可愛いは別だ。


A｢…えーっと、ごめんね国見ちゃん？国見ちゃんの他にも愛する子ができちゃった…選べないの。どっちも好きなの…｣

国見｢A先輩がどこで誰と何してようとどうでもいいです｣


国見ちゃんは食べ終えた塩キャラメルパフェのスプーンを置きながら、表情一つ変えずに言った。


A｢そんなこと言って私のこと大好きなくせにぃ〜｣

国見｢いいんでそういうの。鬱陶しいです。ひたすらだるいです｣

A｢ああん！冷たい！！大好き！！｣

国見｢キモい声出すのやめてください｣

乗り越えられるといい→←別れてもいいんじゃね？

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