目を閉じると浮かぶのは ページ10
▲▼ A side
最悪な気分。
及川と顔を合わせたくなくて、サボってしまった。
サボるのにうってつけな空き教室。
いつだったか、確か及川が花巻のせいでコーラまみれになった時、ここに及川を連れて来たことがあった。
…って、また及川のこと…考えてた。
ーー最近目を閉じると及川のことばかり浮かんできてしまう。
本音は及川と一緒にいたい。
…けど、有田みかんに聞かされたことがどうしても頭から離れてくれない。
及川の前で笑顔を作って誤魔化すことも、不安を押し殺すこともできない。
A｢…苦しい｣
ぼそりと呟いたその時、
締め切っていた扉が、ガラッ！と勢いよく開けられた。
先生かと思って身構えると、そこにいたのは、
及川｢…見つけた｣
ーー及川だった。
何でここにいるって分かったのって聞く前に及川が答えた。
及川｢Aちゃん、いいサボりスポットって前言ってたでしょ？｣
その言葉にドキッとする。
及川と顔を合わせたくなかったはずなのに、私を探しに来て見つけてくれたのが嬉しくて堪らない。
A｢及川、｣
及川｢ごめんねミカちゃんが何か、Aちゃんに嫌な気持ちにさせちゃったみたいで…｣
A｢は…、｣
及川の言葉が胸に引っかかる。
聞き流せない。
何かが、押し寄せてくる。
言いようのない黒くてドロドロした汚い気持ちが胸に。
A｢その言い方は何…？何で及川があいつのことで謝んの…？｣
抑えられない。
ふつふつと湧き上がる怒り。
A｢元カノでしょ？何で？｣
止められない。
及川の瞳が戸惑ったように揺れた。
A｢何でそんな…、あいつの彼氏みたいなこと言うの…？｣
及川｢そんなつもりで言ったんじゃ、｣
…ダメだ。
もういっぱいいっぱいで泣きそう。
鼻が、目頭がつんと熱くなるのを感じた。
A｢及川のバカ…！｣
震える声で言い放つと、及川を一人残して空き教室を飛び出した。
走りながら、涙が止まらない。
苦しくて、ただただ堪らなかった。
息が切れて、しんどくて、廊下のど真ん中でしゃがみ込む。
A｢…ふっ、うっ…｣
次から次に溢れてくる涙が廊下の床にポタポタと小さな水溜まりを作った。
ふと、前方からキュッと上履きと床の擦れる音がして、ゆっくりと顔をあげた。
国見｢A先輩、何してるんですか｣
そこには私の泣き顔を見ても表情一つ変えない国見ちゃんが立っていた。
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杏月(プロフ) - 凍ったライムさん» 読み返し嬉しいです😭こちらこそありがとうございます！ (2022年1月19日 21時) (
レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 杏月さん» メッセージありがとうございました……！これから、また１から読み返していきます(^^*)これからも頑張って下さい！ (2022年1月19日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 凍ったライムさん» バチクソ嬉しいです😭私の方がいっつも元気貰ってます！メッセージにてパスワードお送りさせて頂きます🙋♀️ (2022年1月19日 20時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 杏月さん» パスワード、もし教えて頂けるなら読みたいです！本当に杏月さんの作品には元気を頂いたので、何回も読みたくなってしまって……(//∇//) (2022年1月19日 18時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 凍ったライムさん» ばら撒かせてもらっているので、暇だし読もうかな…と思って頂ける際には気軽に声掛けてください☺️こちらこそ、こうして読んでコメントをして頂いて、読者様方には励まされています！これからもあたおか作者と作品達をよろしくお願いします！ (2022年1月19日 18時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2021年5月31日 0時
