始まりはこの場所だった ページ19
▲▼ A side
好きで、好きで、それでも叶わない想いはどこに行けばいいんだろ。
こんなにも大好きなのに、どうやって諦めたらいいって言うんだ。
暗い気持ちで階段を下りていると、後ろからバタバタと走る足音が聞こえて何となしに振り返る。
及川｢Aちゃん…！｣
するとそこには、苦しそうに呼吸をする及川の姿があって、ドキッと胸が鳴った。
及川｢やっと見つけた…。Aちゃんに話したいことが、｣
A｢っ、｣
足が、勝手に動く。
及川から逃げ出す。
及川の言葉がまるで死刑宣告のように聞こえた。
ーー聞きたくない。
元カノと寄り戻したとか、そんなの。
及川｢待って…！｣
当てもなく走って、及川から逃げて、息を切らして辿り着いたのは、学校の裏門。
及川｢Aちゃん！！｣
どこまでも追いかけてくる及川を見て、最後の力を振り絞って裏門の横のフェンスに足を掛けてよじ登った。
上まで行って、向こう側に飛び降りようとすると思いの外高くて、怖くなってその場に留まる。
及川｢はぁっ…はっ、Aちゃん…、｣
及川が私に追い付いた。
息を整えながら、フェンスの上にいる私を見上げてくる。
何で…？
A｢…何でそんなに必死に追いかけてくんの…？｣
及川｢それは、Aちゃんと話がしたくて…｣
A｢私は話したくない…聞きたくない…！｣
聞いてしまったら、きっと私は言ってしまう。
及川を取られたくない、って。
嫉妬深い、真っ黒でドロドロで汚い気持ちを見られたくない。知られたくない。
ーー見ないで、汚い私を。
及川｢…ねぇ、Aちゃん。ここ…覚えてる？｣
A｢え…？｣
及川｢ここ、俺とAちゃんが初めて話した場所だよ｣
及川の言葉に私は辺りを見渡した。
ーーそうだ。この景色、覚えてる。
あの時、桜がちらちら舞っていた。
及川｢覚えてる？始業式の日からAちゃんは遅刻してきてさ、｣
A｢…覚えてる｣
裏門が閉まってたから、私は今いるこのフェンスに同じようにしてよじ登ったんだ。
そんで怖くなって降りれなくなって、そこに及川が現れて、そこから全部始まったんだ。
あの時のことが今に繋がっている。
そう思うと特別で愛おしくなって、止まっていたはずの涙がまた溢れ出てきた。
及川｢…ねぇ、今何考えてる？教えてよ｣
及川は優しい声で私に問いかけた。
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杏月(プロフ) - 凍ったライムさん» 読み返し嬉しいです😭こちらこそありがとうございます！ (2022年1月19日 21時) (
レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 杏月さん» メッセージありがとうございました……！これから、また１から読み返していきます(^^*)これからも頑張って下さい！ (2022年1月19日 21時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 凍ったライムさん» バチクソ嬉しいです😭私の方がいっつも元気貰ってます！メッセージにてパスワードお送りさせて頂きます🙋♀️ (2022年1月19日 20時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
凍ったライム(プロフ) - 杏月さん» パスワード、もし教えて頂けるなら読みたいです！本当に杏月さんの作品には元気を頂いたので、何回も読みたくなってしまって……(//∇//) (2022年1月19日 18時) (レス) id: 946d60cede (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 凍ったライムさん» ばら撒かせてもらっているので、暇だし読もうかな…と思って頂ける際には気軽に声掛けてください☺️こちらこそ、こうして読んでコメントをして頂いて、読者様方には励まされています！これからもあたおか作者と作品達をよろしくお願いします！ (2022年1月19日 18時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2021年5月31日 0時
