過去 ページ25
電話で助けを求めているのに気づかれたとき、頬を叩かれた。
隙をついて校内放送をかけたとき、突き飛ばされて、ぶつかった拍子に口の端を切った。
頬がヒリヒリと痛く熱を持っている。
口の中は血の味がする。
でも、その感覚を忘れるくらいの恐怖で支配されていた。
森崎「コーチから気に入られて、他の子より特別扱いされてたからチームメイト達からは嫌われちゃって、一人になっちゃったんだよね？」
A「…やめて、」
森崎「励ましてくれてたコーチからはセクハラ受けてたんだってね？信頼してたのにショックだっただろうね…。それで大好きなバレーボールも辞めちゃったんだっけ？」
A「やめて…！」
森崎「大丈夫。俺が可哀想な君を支えてあげる。好きだから」
"可哀想に…。大丈夫。俺が支えてあげるからね"。
ーー重なる。
忘れたいのに忘れられないあの男と。
ぐわん、と目眩がする。
気持ちが悪い。
及川「ーーA」
お兄ちゃんが、気がつくと私の身体を支えていた。
及川「黙って聞いてれば、さも知ったようにペラペラと話すんだね。それだけ調べてるのに、森崎くんはAのことを何も見えてないね」
森崎さんを見据えるお兄ちゃんのその目からは、静かに、でも物凄く強い怒りが伝わってきた。
及川「森崎くんは、その一方的な感情でAを苦しめてる。そのコーチがやっていたことと変わらない」
森崎「そんなことない…！俺はちゃんと見えてる！だからAを守ってやれる！」
及川「ストーカー紛いなことして、自分が守る立場になれると思う？その腐った頭どうにかしたら？Aは森崎くんのこと、嫌悪の対象としか見ていない」
森崎「うるさい！Aは俺のものだ！口出すな！」
及川「…ほらそれ。"俺のもの"って言ってばっか。お前はAを好きなんじゃない」
お兄ちゃんは私の身体を岩ちゃんに支えさせる。
それから、森崎さんにつかつかと歩み寄り、胸ぐらを掴んだ。
及川「お前のそれは、ただの所有欲だよ」
森崎「…っ、」
森崎さんは気が抜けたようにしてその場にへなへなと座り込んだ。
及川「…さて、どうしようか。可愛い妹を傷付けた罰はちゃんと受けてもらわないとね」
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いちご(プロフ) - 杏月さん» ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年4月13日 22時) (
レス) id: 0357050ae1 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - いちごさん» 遅れましたがなんとか完結致しました・・・！バレーやられてるんですね！私は運動神経悪いんで尊敬します！バレーボール頑張ってください！ (2021年4月11日 21時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 続きはありますでしょうか？見つけて1話から見てとっても吸い込まれるように読んで一日で読み終わってしまいました。私もバレーボールをやっていてレシーブが苦手なんですけれど読んだらなんかレシーブが練習したくなりました！大変だとは思いますが更新お願いします (2020年3月14日 0時) (レス) id: 0357050ae1 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - ありささん» コメントありがとうございます！最高だなんて嬉しいです...作者の励みになります！これからも読んで頂けると嬉しいです！ (2019年8月1日 12時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
ありさ(プロフ) - ああぁぁぁー!!!もぅ最っ高です!!!これからも更新頑張ってください!!! (2019年7月31日 22時) (レス) id: 2c7a607a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2019年7月9日 21時
