それは、きっと恋 ページ10
国見side
及川さんの妹が青城に入ってくるっていうのは知っていたが、まさか同じクラスだとは思わなかった。
A「及川 Aです」
入学式後のHRの時間。
お馴染みの自己紹介タイム。
他人に特に興味もなく、自分の番が回ってくるのを窓の外でも見ながらぼーっとしていた。
耳によく通る、声。
"及川"という名前に反応して視線を向けた。
A「バレーボールが好きです。…よろしくお願いします」
知っている女子だった。
向こうは俺のことを知らないし、直接顔を合わして話したわけでもないけど。
中学時代、たまたま試合会場で見かけた女子だった。
あの時は気が付かなかったけど、及川さんに顔が似ている。
A「…なに？そんなに見て」
入学してすぐ、同じクラスで部活も一緒となると仲が良くなるのも早かった俺達は、お昼休みまで一緒にとるようになった。
お弁当を食べていたAのことをじっと見すぎていたようで、怪訝な顔をされた。
国見「…べつに」
A「そう」
見れば見るほど、中学時代のあの時と印象が全然違う。
あの試合会場のコートの中では、笑顔で、目に光があった。
同一人物なのかと疑いたくなるくらいにまるで違った。
近くで観察し続けて気づいたことは、部活中苦しそうな顔をすること。
表情が変わらないAは分かりにくいけど、よく見てるとなんとなく分かる。
松川「選手も引退したってことはなんかワケあり…？」
部活の休憩中、Aの話になった。
正直俺だって、気になる。けど、
国見「……べつに、どうでもいいんじゃないですか」
Aが、笑わないんじゃなくて、笑えなくなったんだとしたら？
詮索されたりしないでほしいはずだ。
気付かないふりをするのがいい…はず。俺なら。
A「言われなくても、こんな表情のない女、可愛げ無いのは分かってる」
ただのクラスメイトで、部活仲間だった。
この時までは。
A「持ってくれて、ありがとう」
Aは笑顔ではなかった。
けれど、表情が柔らかくなったのを感じた。
いつもの光のない目がわずかに細められたのを確かに見た。
国見「A、今…わらっ、」
中学時代に見たあの笑顔とは全く違うけれど、嬉しかった。
自分に笑いかけてくれたんだと思うと余計に。
言いようのない気持ちが胸の中に溢れ出す。
もっと、見たいと思った。
この瞬間から、Aに対して違う感情が生まれた。
この感情に名前を付けるなら…そう。
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杏月(プロフ) - わむさん» コメントありがとうございます。ご指摘ありがとうございます。確かにその通りですね。作者がアホでした・・・。他にもリアルとかけ離れている部分があるかと思います。不快にさせてしまったようであれば申し訳ございません・・・。 (2021年4月29日 23時) (
レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
わむ - なんで兄貴と違う中学なの？同じ住所なら学校も同じじゃん。高校や私立じゃないんだし。 (2021年4月29日 14時) (レス) id: 6836c6202c (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - あ〜くさん» コメントありがとうございます。最高だなんてめちゃくちゃ嬉しいです！作者の励みになります！ノヤっさん大好きで登場させてしまいましたwwこれからも欲望の赴くままに投稿していきます！お話がいっぱいになりましたので、続編に飛んでください！ (2019年7月9日 22時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜く(プロフ) - すっごく面白いです！何か…語彙力が無くなって上手く言えないですけど、最高です！！逆ハーも好きなんですけど、何より私の推しであるノヤっさんとの絡みもあって凄いドキドキしながら見ています！更新頑張って下さい、応援しています！！o(>∀<*)o (2019年7月9日 20時) (レス) id: 14e5aeaf40 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます。作者の欲望のままに書いている作品を気に入って頂けるなんて嬉しい限りです...！これからも楽しんでもらえるよう頑張って投稿していきます！ (2019年7月7日 11時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2019年6月7日 17時
