見えないゴキブリ ページ44
なるべくひとりにならないようにしよう。
とは思っても、常に誰かといるっていうのも無理な話で、みんなが練習に打ち込んでいる中ひとり、部室にいた。
乱雑に散らかっていた部室を片付けていると、
ギィイイ、バタン！
換気のために開けていた部室の扉が閉まる音がして、胸がドクンと大きく跳ねた。
ーー足音がする。
風で閉まったんじゃない。
誰かが、いる。
胸が、ドクドクと嫌に鳴り出す。
どうしよう。
スマホ…女子更衣室に置いてきちゃってる。
ごくりと唾を飲む。
掃除のため持っていたほうきをぎゅっと握り直す。
息を押し殺してじっとしていると、誰かが私のいる方に向かってゆっくりと近づいてきた。
…大丈夫。大丈夫だ。叫んだら外にいる誰かがきっと駆けつけてくれるはずだ。
ほうきを構えた、その瞬間。
松川「あれ？Aちゃん掃除してくれてたんだ」
A「ま、つかわ先輩…か…」
なんだ…と脱力して、ロッカーを背に座り込んだ。
安心したのに、まだ心臓がドキドキいっている。
松川「どした？つーか、さっきほうき構えてたの何？」
A「…いや、あの…掃除中ゴキブリ見つけて…ゴキブリかと思ったんです」
松川「先輩とゴキブリ間違えんなよ」
A「ほら…松川先輩、髪黒いから」
松川「髪色だけで間違えてたら世話ないな。あ、そういやさー…」
A「何ですか？」
松川「ーーさっき、ここの掃除誰かに手伝ってもらってた？」
A「え、」
松川先輩の言葉に、ぞわり、と肌が粟立つのを感じた。
落ち着きはじめていた鼓動がまたドクドクと音を立て始める。
A「…どうして、ですか？」
平静を装いたいのに、動揺してしまう。
自分の声が緊張で掠れていた。
松川「俺が部室入ろうとしたら、知らないやつがここから出て行ったから」
A「………」
ここにいた…？
ひとりだと思ってたけど、誰かがいた？
一体いつから？
もしかして、私が掃除している間…ずっと同じ空間にーー。
松川「Aちゃん？」
松川先輩に肩を叩かれ、はっとする。
冷や汗をかいていた。
怖い。気持ち悪い。
ここに、いたくない。
松川「大丈夫？」
A「はい、大丈夫です。あの…松川先輩、もう体育館戻りますか？」
松川「着替えたら戻るけど」
A「…一緒に戻るので終わったら言ってください」
一刻も早く、みんなの元に戻りたかった。
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杏月(プロフ) - わむさん» コメントありがとうございます。ご指摘ありがとうございます。確かにその通りですね。作者がアホでした・・・。他にもリアルとかけ離れている部分があるかと思います。不快にさせてしまったようであれば申し訳ございません・・・。 (2021年4月29日 23時) (
レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
わむ - なんで兄貴と違う中学なの？同じ住所なら学校も同じじゃん。高校や私立じゃないんだし。 (2021年4月29日 14時) (レス) id: 6836c6202c (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - あ〜くさん» コメントありがとうございます。最高だなんてめちゃくちゃ嬉しいです！作者の励みになります！ノヤっさん大好きで登場させてしまいましたwwこれからも欲望の赴くままに投稿していきます！お話がいっぱいになりましたので、続編に飛んでください！ (2019年7月9日 22時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜く(プロフ) - すっごく面白いです！何か…語彙力が無くなって上手く言えないですけど、最高です！！逆ハーも好きなんですけど、何より私の推しであるノヤっさんとの絡みもあって凄いドキドキしながら見ています！更新頑張って下さい、応援しています！！o(>∀<*)o (2019年7月9日 20時) (レス) id: 14e5aeaf40 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます。作者の欲望のままに書いている作品を気に入って頂けるなんて嬉しい限りです...！これからも楽しんでもらえるよう頑張って投稿していきます！ (2019年7月7日 11時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スナック杏月 | 作成日時：2019年6月7日 17時
