あの子は笑った ページ29
花巻 side
花巻「あの中途半端に金髪ヤロー…」
松川「金髪メッシュ引っこ抜くか…」
他の男に抱き締められているAちゃんを見て、居てもたってもいられなくなり、その場をすっくと立ち上がった。
…なぜか松川と同時に。
及川「ちょっ…!マッキーも松っつんも落ち着いて!ていうか岩ちゃんもやめて!?痛いから!!」
俺と松川のシャツを引っ張って引き止めるパワー5リラ及川。
そしてもう一人のパワー5リラは及川の腕を折る勢いで掴んでいた。
金田一「き、気づかれちゃいますよ!」
…何なんだ、あのチビ。
気安く触れやがって。
抱き締められたAちゃんが、その男子の背中に腕を回して応えてるもんだから余計にムカつく。
今すぐ引き剥がしに行ってやりたいところだ。
及川「マッキー鼻息荒いよ。怖いんだけど」
花巻「うるせぇ。シスコンのお前がなんでそんなに落ち着いてんだよ」
及川「うーん…ムカつくけど邪魔したらAが嫌がるだろうからね。Aが嫌がることはしない。ね、岩ちゃん?」
Aちゃんの第二の兄である岩泉は、やさぐれた顔で、おう、と頷いた。
あの金髪メッシュのチビ野郎、今すぐ何かやらかして、このパワー5リラコンビにボコられないかな、と切望していると、
国見「あ」
Aちゃんが解放された、と同時に。
まるで信じられないものを見たかのような気分だった。
男子から身体を離したAちゃん。
その表情が柔らかく緩んだ。
及川「…笑ってる」
及川も驚いていた。
Aちゃんは、ちゃんと笑っていた。
まるで花が咲いたみたいに。可憐に。
及川「岩ちゃん…、Aが笑ってるよ」
岩泉「見えてるわボゲ」
及川「……悔しいなぁ。あれからずっと俺達にも笑わなかったのに…」
及川は何度も悔しいと言いながらも、その顔はすごく嬉しそうだった。
それは岩泉も同様。
初めて見たAちゃんの笑顔は可愛かった。
でもそれはあのチビだけに向けられたもの。
Aちゃんとどういう関係なのか知らねぇけど。
…分かるのは、あいつには到底適わねぇってこと。
今はまだ。
及川「さぁて、そろそろ帰ろっか」
及川の声でみんな動いた。
が、一人だけ頑なにしゃがみ込んだまま。
…国見だった。
及川はため息をつくと、国見の肩に手を置いた。
及川「嫉妬深い男は嫌われるよ」
ちくりと胸が傷んだ。
国見だけじゃなく、自分にも言われているようだった。
…いや、もしかしたら他のやつにも。
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杏月(プロフ) - わむさん» コメントありがとうございます。ご指摘ありがとうございます。確かにその通りですね。作者がアホでした・・・。他にもリアルとかけ離れている部分があるかと思います。不快にさせてしまったようであれば申し訳ございません・・・。 (2021年4月29日 23時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
わむ - なんで兄貴と違う中学なの?同じ住所なら学校も同じじゃん。高校や私立じゃないんだし。 (2021年4月29日 14時) (レス) id: 6836c6202c (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - あ〜くさん» コメントありがとうございます。最高だなんてめちゃくちゃ嬉しいです!作者の励みになります!ノヤっさん大好きで登場させてしまいましたwwこれからも欲望の赴くままに投稿していきます!お話がいっぱいになりましたので、続編に飛んでください! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜く(プロフ) - すっごく面白いです!何か…語彙力が無くなって上手く言えないですけど、最高です!!逆ハーも好きなんですけど、何より私の推しであるノヤっさんとの絡みもあって凄いドキドキしながら見ています!更新頑張って下さい、応援しています!!o(>∀<*)o (2019年7月9日 20時) (レス) id: 14e5aeaf40 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます。作者の欲望のままに書いている作品を気に入って頂けるなんて嬉しい限りです...!これからも楽しんでもらえるよう頑張って投稿していきます! (2019年7月7日 11時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スナック杏月 | 作成日時:2019年6月7日 17時