【青葉城西】及川さんとこの妹ちゃんは笑わない。

いつもの朝 ページ3

A「おはようございまーす」


朝練のため、体育館に集まっている部員達に声をかける。

私が青葉城西高校男子バレー部のマネージャーになってから1ヶ月が経った。
仕事にも慣れ、部員達との距離も大分縮まった。


花巻「おー、Aちゃん。今日も顔死んでんなぁ」

松川「低血圧なやつでもそんな顔できないよなー。あれ？Aちゃんって低血圧じゃないよな」

A「パワハラで訴えますよ、先輩方」

花巻「"みなさんおはようございますっ！今日も頑張りましょうねっ☆"って笑顔で言ってごらんよ」

松川「見たいなぁ〜。先輩、Aちゃんの笑った顔見たいなぁ〜」

A「無理です」


私の無表情がそんなに楽しいのか、いつも通り絡んでくる花巻先輩と松川先輩をかわしていると、


及川「みんなぁ〜おっはよ〜！今日も一日頑張ろうねっ☆」


アイドルさながらの笑顔とウインクをするお兄ちゃんが体育館に入ってきた。

途端、うんざりした顔をする花巻先輩と松川先輩。


花巻「Aちゃんがやったら可愛いんだけどなぁ」

松川「及川じゃなぁ…。逆にやる気出なくなるよなぁ」

及川「なんか朝からすごい失礼だね！？」

岩泉「おい。出入口で突っ立ってんじゃねぇ」

及川「え、あ…ごめん」

国見「そうですよ。邪魔ですよ及川さん」

及川「国見ちゃんまで…！先輩に対して辛辣っ！！」


お兄ちゃんに毒を吐いた国見は私のところにやって来て、眠そうな目で挨拶するかと思いきや、


国見「英語の課題やってくんの忘れた。あとで見して」


朝一でそれか。
どうして普通に挨拶ができないの。


A「…いい加減自分でやってきなよ」

国見「家帰ると眠くて気づいたら寝てる」

A「授業中もほぼ寝てるじゃん」

国見「それでも足りない」

A「睡眠欲強すぎか」


呆れながらも減るものでもないし、まぁ見せるくらいいいけど、と零した。

成績がよろしくなくて補習で部活の時間を削られてしまうんだったら考えものだけど、国見はやればできる子だし、まぁいいか。

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