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もう傷つけさせない ページ14

岩泉 side

A「お兄ちゃん…岩ちゃん…、わたし、もう大好きなバレーを続けられない…っ、怖いよ、」


そう悲痛な声をあげた、中学時代のあの頃のAはボロボロだった。

この間までは、レギュラーが取れたんだと大喜びしていたAが会う度に元気が無くなっていた。

心配で何度尋ねても、


A「ちょっと試合でミスしちゃって…。大丈夫大丈夫」


いつも大丈夫しか言わない。
本当は大丈夫じゃなかったんだ。

Aの心のコップの水は既に並々に注がれていて、限界を越えそうな状態だった。

それでも我慢し続けて、しばらくしてから及川と俺に糸が切れたように声をあげた。

事情を聞いたとき、最初は俺も及川も身体から血の気が引いたように黙り込んでいた。
それから、頭に血が上る程の怒り、そばにいて助けてあげられなかった自分の不甲斐なさに腹が立った。


A「私の…っ、何が…悪かったんだろう…」


泣きじゃくりながら膝を抱えるAに、俺は怒った。


岩泉「お前は少しも悪くねぇだろ!!悪いのは全部、」

及川「岩ちゃん!!」


怒鳴らないで、と及川に止められ、俺は血が滲みそうな程下唇を噛んだ。

どんな思いで今まで耐えてきたんだ、こいつは。
バレーが好きでしょうがないAの居場所を奪ったやつらが憎くてしょうがなかった。

ーーあれからAの顔から笑顔が消えた。
太陽のような笑顔で笑うAはもう…。

許せない。もう二度と、誰にもAを傷つけさせねぇ。
そう、あの日に誓った。


A「…岩ちゃんは、昔から変わらないね」


安心し切ったようにまどろむAに、自嘲気味に俺は笑った。


岩泉「…変わらないものなんてねーよ」


妹のように可愛がってきたAのこと、もうそんな目で見れてねぇんだよ。
俺にとったらもう、ずっとそばに置いて、守ってやりたい女なんだ。

俺のことを、もうひとりの兄の様に慕うお前がこの気持ちを知ったら、幻滅するのかもしれねぇな。

バレーがしたかっただけ→←温かい背中



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杏月(プロフ) - わむさん» コメントありがとうございます。ご指摘ありがとうございます。確かにその通りですね。作者がアホでした・・・。他にもリアルとかけ離れている部分があるかと思います。不快にさせてしまったようであれば申し訳ございません・・・。 (2021年4月29日 23時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
わむ - なんで兄貴と違う中学なの?同じ住所なら学校も同じじゃん。高校や私立じゃないんだし。 (2021年4月29日 14時) (レス) id: 6836c6202c (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - あ〜くさん» コメントありがとうございます。最高だなんてめちゃくちゃ嬉しいです!作者の励みになります!ノヤっさん大好きで登場させてしまいましたwwこれからも欲望の赴くままに投稿していきます!お話がいっぱいになりましたので、続編に飛んでください! (2019年7月9日 22時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
あ〜く(プロフ) - すっごく面白いです!何か…語彙力が無くなって上手く言えないですけど、最高です!!逆ハーも好きなんですけど、何より私の推しであるノヤっさんとの絡みもあって凄いドキドキしながら見ています!更新頑張って下さい、応援しています!!o(>∀<*)o (2019年7月9日 20時) (レス) id: 14e5aeaf40 (このIDを非表示/違反報告)
杏月(プロフ) - 黒豆粉さん» コメントありがとうございます。作者の欲望のままに書いている作品を気に入って頂けるなんて嬉しい限りです...!これからも楽しんでもらえるよう頑張って投稿していきます! (2019年7月7日 11時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スナック杏月 | 作成日時:2019年6月7日 17時

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