【国見英】賽は遥か遠くにぶん投げる 2nd【青城】

面積とりすぎだから ページ13

朝陽｢徹みーっけ！｣

及川｢えっ！！嘘っ！！｣


一番に見つかった及川先輩が、朝陽先輩に追いかけられているのを見て、鼻先で笑う。


A｢見つかるの早すぎでしょ、あのゴリラ｣

国見｢狭いんだけどデブ。面積とりすぎだからデブ。今すぐ肉落としてこいデブ｣

A｢…デブって連呼しないでくれる？キャラメルバカ｣

国見｢キャラメルをバカにすんな｣

A｢キャラメルをバカにしてるわけじゃなくてアンタをバカにしてるんだけど｣


気づかれないように小声で国見と言い合いをしていると、茂みを挟んだすぐ向こう側を及川先輩と朝陽先輩がバタバタと走って行った。


朝陽｢くっそ、運動部め！！体力バケモノか！！可愛い彼女に手加減しろや！！｣

及川｢やだよ！！靴下嗅ぎたくないもん！！｣


逃げ回る及川先輩に諦めたのか、朝陽先輩はふと足を止めて俯き、視線を地面に落とした。


朝陽｢何で逃げるの…？徹は私のこと嫌い…？｣

岩泉｢いや、かくれ鬼だからだろ｣


二人のすぐそばの倉庫の裏に隠れていたらしい岩泉先輩が我慢できずにつっこんだ。


及川｢そんなわけないじゃん！大好きだよ！｣

朝陽｢本当に…？だったらもう逃げない…？｣

及川｢うん！逃げないよ！｣


足を止めて力強く答える及川先輩に、良かった…！と朝陽先輩は暖かく微笑む。
そして及川先輩に近寄ると、ギュッとしがみついてニタリと笑った。


朝陽｢はい、徹捕まーえたぁ｣

及川｢えっ｣

岩泉｢バカすぎだろお前｣


朝陽先輩は次の標的の岩泉先輩にぐるんと身体を向ける。
はっとして岩泉先輩が逃げようとすると、膝を折っていきなり地面に崩れ落ちた。


朝陽｢うっ…胸が…苦し、息が…っ、｣

岩泉｢おい大丈夫か！？｣

金田一｢今すぐ保健室に…！｣


すぐに心配して岩泉先輩が駆け寄り、ベンチの裏から金田一も飛び出してくる。
朝陽先輩はすっくと立ち上がると、純粋コンビの肩にそれぞれ手を置いて、ニタリと笑った。


朝陽｢はい、二人ともつかまーえたぁー｣

花巻｢捕まえ方最低かよ｣

朝陽｢うるせぇ！！足じゃ敵わないなら心理戦しかないだろうが！！｣

花巻｢それ言っちゃったらもう誰も引っかからねーよバーカ｣


クソガキの如くアッカンベーをした数メートル先の花巻先輩に朝陽先輩はチッと舌打ちを打つ。
それから、ふと校舎の方を指さした。


朝陽｢ねぇ見て！あの子パンツ見えてる！！しかも紐パン！！｣

花巻｢え？どこ？｣

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