カワボ・オブ・ザ・クイーン ページ46
花巻「…分かった。送ってく」
A「っシャアッッ!!オラァッッ!!」
とうとう押しに負けて、家まで送っていくことを了承すると、Aは体育館の天井に向かって、高く拳を突き上げた。
岩泉「プロレスラーかお前は」
松川「ぶふっ、Aちゃんってそんな野太い声出んのかよ…っ、」
及川「オラァって…、ふはっ…!」
国見「地の底から這い出るような声でしたね」
金田一「ビビった…一瞬誰の声かと…」
A「やだぁ、大袈裟ですよメンズ共☆私は常にカワボ・オブ・ザ・クイーンですよ☆」
岩泉「カワボ・オブ・ザ・クイーンって何だよ」
A「やだ岩泉先輩…この程度の英語が分からないんですか?よく留年しないで三年まで上がれましたね?」
岩泉「バカにしたような顔してんじゃねぇよムカつくな!!」
A「岩泉先輩チョベリバ〜」
及川「死語やめてwww」
▲▼
A「ふっふふーん♪ふーふふーん♪」
暗くなった帰り道。隣を歩く…いや、スキップしているAは陽気に鼻歌を口ずさんでいた。
花巻「…ご機嫌だな」
A「あったり前じゃないですか!」
Aは弾かれたようにこちらに顔を向けると、いつものように俺の腕に絡み付いて、人懐っこい笑みを浮かべてくる。
A「花巻先輩と二人っきりなんて贅沢です。プチデートですよぐえへへへへ」
花巻「変な笑い方やめろ。いちいち大袈裟だな」
A「だって好きな人と一緒にいられるなんてこの上なく幸せじゃないですか!」
Aの無垢な笑みに一瞬胸はドキつくが、すぐにすとんと落とされた。
ーー好きな人。俺の好きな、ちひろさんと一緒にいられる幸せ。
それはいつだって甘くて、そして痛い。
花巻「…俺は、そーでもない」
ちひろさんと言葉を交わすと、視線が合うと、ドキドキする。嬉しくなる。でも、どうしたってそれは到底俺のモノにはならなくって、些細な一言に期待しては想いが溢れそうになるのを堪えるばかり。
ーーどれだけ手を伸ばしたってきっと、ちひろさんの一番に俺はなることはできない。
そう…ですか。花巻先輩はそうなんですね。
感傷的な気分に浸っている俺に、Aが静かな声でぽつりと相槌を打った。
花巻「あ…ワリ、Aの感情を否定してるわけじゃなくって、」
A「あれ見てください花巻先輩!!」
はっとして慌てて言葉を並べ立てようとした俺の腕を強くAは引いて、わけも分からず一歩、また一歩と足を前に踏み出した。
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世も末りょうこ(プロフ) - Komachiさん» バカな事ばっかしてトラブルだらけの人生だ😇脚色して(虫はガチ)ネタにするしかないな、と思ってる🥲不審者はあと、あすなろ抱き乳揉み男とか、スカートめくり電車男の二本立てが残ってるよ!そのままで大丈夫よ!名前飽きたからまた戻すと思う☺️ (2022年5月28日 8時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
Komachi(プロフ) - 世も末りょうこさん» 毎度毎度思うんだけどさ体験談多すぎて杏月ちゃんにいつもびっくりするよね!あ、名前変わってるけど呼び方そのままでいいのかしら? (2022年5月28日 6時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
世も末りょうこ(プロフ) - Komachiさん» こまっちゃんお久しブリ大根☺️これ私の小学生の時の体験を元にしてるよ!マジか!見に行ってくる!って見に行った先にセーラー服おじさんいたのよガチで🥲今思うと怖かったなーと思いながら書いてる😂いつもコメントありがとう! (2022年5月26日 1時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
Komachi(プロフ) - 会ったことないから会いに行きますが好きすぎる!w (2022年5月25日 17時) (レス) @page49 id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
世も末りょうこ(プロフ) - ことさん» やってくるバチクソ憂鬱イベント!!どうかいい結果でありますように!!※作者はバカなのでいつだって全てを諦めて思考放棄してます。これからもマッキーと変態マネの攻防戦を見守って頂けると幸いです。 (2022年5月24日 9時) (レス) id: 04a827e35d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スナック杏月 | 作成日時:2021年10月13日 12時