検索窓
今日:2 hit、昨日:7 hit、合計:141,740 hit

8 side.J ページ42

次の日、今日の予定を聞きたくて

教室に入ってきたばっかりのAに駆け寄った。


「おはよう、A」

「おはよう、ジェシー君」


まずは、放課後の予定を聞いて…


「あのさ、ジェシー君」


ふいに、Aの方から話を切り出された。


「ん?何?」

「昨日ね、帰り、一人だった?」


昨日の帰り?
なんで、そんな話?


「昨日は、 一人で帰ったよ」

「そっか、」

「…うん」


Aが何を聞きたいのかよく分からない。

ただ、一人で帰ったと言った瞬間、
Aの様子が明らかに変わった気がした。


「A?」

「ごめ、ちょっと、トイレ行ってくる」


伸ばした手は空を切って、

Aはフラフラと教室から出て行ってしまった。


それから、いくら待ってもAは戻ってこなくて


「なぁ、」

「何よ?」


ゆいに話して、トイレを見てきてほしいと頼んだ。

慌てて駆けて行ったゆいだったが、


「いないよ、A、どこにもいない」

「本当にちゃんと見た?」

「見たよ!でも、トイレには誰も居なかった」


じゃあ、どこに行った?

探しに行こうとしたら先生が入ってきて止められた。


なぁ、A

今、どこにいる?
何してる?
何を思ってる?


Aのことが心配で、
授業なんてこれっぽちも頭に入んなかった。


授業終了のチャイムが鳴って、
勢いよく席を立ったら、

教室のドアが開いた。


「A−−!」


ゆいが大声で叫んで抱き着きに行ったのを見て、

ああ、よかった。
無事だった。

慌てて駆け寄った足が途中で止まった。

Aの顔をみて愕然とする。


泣いてた…?


「A…」


声が震える。

Aが俺の横を無言で通り過ぎて
自分の席に座って顔を伏せた。

俺は追いかけることもできず、

ただ茫然とその場に立ち尽くしていた。

9 side.J→←7 side.J



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (253 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
274人がお気に入り
設定タグ:ジェシー , 恋愛 , HARU
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

HARU(プロフ) - あいすさん» んふふ(笑)あいすさんをたくさん泣かした気分♪またジェシー書きますよう!のんびりお待ちくださーい(笑) (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - みりまむさん» ありがとうございます(*ノωノ) みりまむさんはいつも褒めてくださるので、ついつい調子に乗ってしまいます(笑)今後もよろしくお願いしますね♪ (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 泣ける作品( ;∀;)またジェシー書いてください♪HARUさんお疲れ様でした(*>ω<*) (2015年5月30日 8時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)
みりまむ(プロフ) - HARUさん、お疲れ様でした!!『一途すぎて愛おしいバカ』最高です!!!やっぱりHARUさんが書くお話大好きです!! (2015年5月30日 0時) (レス) id: 8e043e8cc2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - HARUさん» ぜんぜん!そう!年下(*´□`*)やーん楽しみ♪ (2015年5月27日 0時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:HARU | 作成日時:2015年4月8日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。