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7 side.J ページ41

放課後、一緒に帰ろうとAを見たら、
先生に呼ばれていた。

「図書委員?」

近くに寄っていったら聞こえた。

図書委員の言葉。


「なんの話?」

「ジェシー君、
 なんか私、図書委員だったみたいで」

「あー、そういえばお前、
 絶対楽だからとか言って立候補してたな」

「え、そうだった?」

「覚えてないの?」


キョトンとしてるAを見て笑う。

覚えてるよ、俺。

だって、暇だからって理由で図書委員に立候補したんだよ。

俺と一緒に帰るために。

よっぽどの用事を作らないために。

お前、ピースサインしながら俺に笑ったじゃん。


「じゃ、そういうことだから。
 もうすぐ始まっちゃうから、急いでね」


先生が足早に去っていく。

Aが、絶望的な顔で俺を見る。


「今日は、一緒に帰るの無理そうだね」

「はぁ…」


俺は別に待っててもいいんだけど、


「ごめんね、ジェシー君」


Aが申し訳なさそうに両手を合わせてきた。

先に帰れってことかな。


「いいよ、しょうがない」


Aと別れて、下駄箱で靴を履きかえていると


「ジェッッッシー!!!」


甲高い声とともに背中に重みを感じた。


「今から帰るの?
 一緒に帰ろうよー!」


誰だよ、お前。


「悪いけど、用あるから」


女子から離れてさっさと歩き出す。

すると今度は腕を絡めてきた。


「えーいいじゃん!
 ね、駅前のケーキ屋さんいこぉ!」


めんどくさいのに捕まった。

頭をわしゃわしゃとかいて、
校門を出た瞬間ダッシュで逃げた。

後ろで甲高い悲鳴が聞こえるけど無視。


「ハァ、ハァ、」

息を整えて、空を見上げる。


初めてAと一緒に帰った日と
同じ夕焼け空で、自然と笑みがこぼれる。


「明日は、一緒に帰れるかな?」



何も知らない俺は、

ただAのことを考えて家に帰った。

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HARU(プロフ) - あいすさん» んふふ(笑)あいすさんをたくさん泣かした気分♪またジェシー書きますよう!のんびりお待ちくださーい(笑) (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - みりまむさん» ありがとうございます(*ノωノ) みりまむさんはいつも褒めてくださるので、ついつい調子に乗ってしまいます(笑)今後もよろしくお願いしますね♪ (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 泣ける作品( ;∀;)またジェシー書いてください♪HARUさんお疲れ様でした(*>ω<*) (2015年5月30日 8時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)
みりまむ(プロフ) - HARUさん、お疲れ様でした!!『一途すぎて愛おしいバカ』最高です!!!やっぱりHARUさんが書くお話大好きです!! (2015年5月30日 0時) (レス) id: 8e043e8cc2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - HARUさん» ぜんぜん!そう!年下(*´□`*)やーん楽しみ♪ (2015年5月27日 0時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HARU | 作成日時:2015年4月8日 21時

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