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1 side.J ページ35

「じぇ、じぇ、じぇし、」

「じぇじぇじぇ?」


初めてAを見たとき、変な女だと思った。

2年生になって一緒のクラスになったけど
喋ったのはこの時が初めてで。


「お、お、屋上に来てください…!」


ほぼ言い逃げ状態で、
俺の問いかけにも答えず去っていってしまった。


正直行く気はしなかったけど

教室に戻ったとき、

視界に映ったAがすっげぇ挙動不審で。

面白かったから、興味が湧いてきて。


「お待たせ」


気づけば放課後屋上に来ていた。

途中、知らない女子が付いてきたけど。

興味ないから無視。


「で、何かな?」

「あ、あの、えっと、」


しらじらしく聞いたけど、分かってる。

頬を少し赤くさせて
必死に言葉を探しているであろうAを見て

ちょっと可愛いなって思った。


いつもは告白されたってなんとも思わないけど、

Aは、他の女子と違う気がしたんだ。


うん。本当に違った。


「やっぱり、いいです」

「え?」

「もう話すこと何もないので
 早く帰ってください」


多分、この時の俺は相当間抜けな顔してたと思う。

は?やっぱりいい?早く帰れ?

普通、このパターンて、告白じゃないの?


面食らった俺はしばらくその場に棒立ち状態。

Aが何考えてんのかさっぱり分からなくて

ただじっとAの顔を見つめてた。


そしたら、一瞬顔が歪んだ瞬間があった。


勝手に付いてきた女子が俺に抱き着いた時、

ほんとに一瞬だけど、嫌そうな顔した。


あれ?
もしかして...


帰ろうとするAの腕を掴んで止める。


「…何ですか?」

これまた嫌そうな顔に声。


ん?
やっぱ、俺の勘違い?


抱き着いてきた女子の腰をグッて引き寄せる。

ギリギリまで顔を近づけながら
横目でAを見る。

俺を見つめるその目は潤んでて
今にも涙が零れ落ちそう。

唇をギュッと噛みしめて、プルプル震えている。


やば。
なにその顔。

それは、反則だろ。

女子を離して、Aを抱き寄せる。


「…その顔、可愛すぎる」

「は?」


きっと、この瞬間から落ちていた。


「…俺と、付き合わない?」

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HARU(プロフ) - あいすさん» んふふ(笑)あいすさんをたくさん泣かした気分♪またジェシー書きますよう!のんびりお待ちくださーい(笑) (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - みりまむさん» ありがとうございます(*ノωノ) みりまむさんはいつも褒めてくださるので、ついつい調子に乗ってしまいます(笑)今後もよろしくお願いしますね♪ (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 泣ける作品( ;∀;)またジェシー書いてください♪HARUさんお疲れ様でした(*>ω<*) (2015年5月30日 8時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)
みりまむ(プロフ) - HARUさん、お疲れ様でした!!『一途すぎて愛おしいバカ』最高です!!!やっぱりHARUさんが書くお話大好きです!! (2015年5月30日 0時) (レス) id: 8e043e8cc2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - HARUさん» ぜんぜん!そう!年下(*´□`*)やーん楽しみ♪ (2015年5月27日 0時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HARU | 作成日時:2015年4月8日 21時

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