28 ページ28
次の日学校に行くと
皆の視線を異様に感じた。
「A！」
「ゆいちゃん」
目の前に駆け寄ってきたゆいちゃんが
私の腕を掴んで空き教室に連れて行った。
「何？なんでここに来たの？」
「A、ジェシー君と別れたってホント？」
「へ？」
なんの話？
「なんで？」
「噂よ。学校中に広まってる」
「うわさ？」
「昨日ジェシー君と修羅場だったって」
昨日…
もしかして、ジェシー君と一緒に図書室に来た子。
あの時帰ったと思ってたけど
陰に隠れて聞いてたのかな。
「で？本当なの？」
ゆいちゃんが私の肩を掴んで詰め寄る。
なんて言えばいいんだろう。
はっきりと別れようと話したわけじゃない。
でも、
ジェシー君は“もう、いい”って。
「…わかんない」
「え？」
「わかんないの。
ジェシー君の気持ちがわかんない」
「A…」
涙がツーっと流れた。
ゆいちゃんが私を抱きしめる。
なんでこんなことになちゃったんだろう。
今までみたいに我慢すればよかった？
じっと胸の痛みに耐えればよかった？
「もう、嫌われちゃった、
嫌われちゃったよぉ…」
悲鳴に近い声を出した私を、
ゆいちゃんはただずっと抱きしめていてくれた。
「大丈夫？」
「うん…」
落ち着いてから教室に戻ると
ジェシー君の席の周りには
いつも通りの人だかりができていた。
私が横を通っても見向きもしない。
いつもなら
意地悪な顔で微笑んで私に声をかけるのに。
やっぱり、もう終わっちゃったのかな。
通り過ぎた瞬間、
後ろから聞こえた女子達の声。
「ほら、やっぱり本当なんだよ」
「やっと別れたんだね」
「てか、今まで本当に付き合ってたんだ」
耳を塞ぎたくなる。
席に着いてただぼーっと窓の外を見た。
ゆっくりと頭が下がっていって
ペタンと机に顔を伏せた。
休み時間のたびにゆいちゃんが来たけど
覇気のない返事ばかり返していたからか、
ゆいちゃんは溜息をついて離れていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 274人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HARU(プロフ) - あいすさん» んふふ（笑）あいすさんをたくさん泣かした気分♪またジェシー書きますよう！のんびりお待ちくださーい（笑） (2015年5月30日 9時) (
レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
HARU(プロフ) - みりまむさん» ありがとうございます(*ﾉωﾉ) みりまむさんはいつも褒めてくださるので、ついつい調子に乗ってしまいます（笑）今後もよろしくお願いしますね♪ (2015年5月30日 9時) (レス) id: 5f45f38707 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - 泣ける作品( ；∀；)またジェシー書いてください♪HARUさんお疲れ様でした(*>ω<*) (2015年5月30日 8時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)
みりまむ(プロフ) - HARUさん、お疲れ様でした！！『一途すぎて愛おしいバカ』最高です！！！やっぱりHARUさんが書くお話大好きです！！ (2015年5月30日 0時) (レス) id: 8e043e8cc2 (このIDを非表示/違反報告)
あいす(プロフ) - HARUさん» ぜんぜん！そう！年下(*´□`*)やーん楽しみ♪ (2015年5月27日 0時) (レス) id: b73e41006e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：HARU
| 作成日時：2015年4月8日 21時
