149.必死 ページ6
樹が振り返った時にはもう彼はいなくて。
彼のいた場所をぼーっと見つめる樹に声をかける。
「樹？どうかした？」
「……お前はなんで知らない奴にそう簡単にホイホイ付いて行くんだよ」
「同級生って言ってたよ？」
「タメだから何？お前あいつのこと知ってんの？」
「え、樹知ってるの？じゃあ、名前教えて！」
そう言ったら、突然頭をべしっと叩かれた。
「お前は……もっと危機感持てよ！」
「危機感？」
「だから！知らない野郎に簡単に付いて行くなって！もしなんかあったらどうすんだよ！」
「……なんか、樹お父さんみたい」
「おと…っ！？」
面食らったような顔をした樹の後ろからなおちゃんが走ってきた。
「あ、Aちゃん〜〜！心配したよ〜〜！」
「なおちゃん！ごめんね、連絡もしないで……」
「ううん。無事でよかったよ！」
「こらA、まだ話は終わってな……」
「もう大丈夫だったからいいでしょ！じゃあ先行くね！」
まだ吠えてる樹を置いてなおちゃんと図書館の中を見て回る。
「いいの？樹くん置いてっちゃって？」
「ああ、いいの。なんか怒ってばっかりだし」
「まさか迷子になってるとは思わなかったよ」
「私も思わなかった……」
「図書館に着いてAちゃん探しても全然見当たらなくて、連絡しようとしたら樹くんがAは？って声かけてくれて」
「あれ？なおちゃんが先に声かけたんじゃ……」
「？違うよ？先に着いてるはずなのにいないんだよねって言ったら血相変えて飛び出していったからびっくりしたけど。探しにいってたんだね」
そうだったんだ。
そういえば、さっき樹と会った時確かにどこか必死だったような。
「樹くんってAちゃんのことすごく大事にしてるよね」
「え？」
「羨ましいな」
「そんなことないよ！樹ってちょっとジャイアン気質なの！自分の思い通りにいかないとすぐ怒るし、手出すし、羨ましがられるようなもんじゃないよ！」
なおちゃんの声がちょっと切なそうで、何故か必死になって言い分けを探した。
その必死さが伝わったのか、なおちゃんがくすっと笑った。
「そんなに否定したらかわいそうだよ！きっと樹くんも大切な幼馴染だから心配したんだろうし」
「……そう、かな？」
なんだろう。
自分で言い聞かせてきた『幼馴染』とはまた違う。
他の人から言われる『幼馴染』って、なんだかすごくむなしいんだなぁ。
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きい(プロフ) - いつか続きが読めるのをお待ちしてます！ (2月26日 4時) (
レス) @page38 id: ee589dc596 (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - 何度も繰り返し読んでしまうくらい大好きな作品です！いつか続きを知れる日を心待ちしています！ (5月15日 1時) (レス) id: 5cd2a49fca (このIDを非表示/違反報告)
ﾘﾝ(プロフ) - ず〜〜〜っと待ってました！嬉しすぎますありがとうございます🤍 (2022年8月24日 2時) (レス) @page38 id: 5cabe62e5a (このIDを非表示/違反報告)
arisa.(プロフ) - 更新待ってました嬉しすぎます😭 ちょっとずつで大丈夫なのでまた更新して下さると嬉しいです＾＾ (2022年8月24日 1時) (レス) @page38 id: ab602fbbda (このIDを非表示/違反報告)
たなか(プロフ) - 2016年からずっと読んでますまた更新嬉しすぎましたありがとうございます😭 (2022年8月24日 0時) (レス) id: 11c1363eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HARU
| 作成日時：2019年1月4日 0時
