175.納得いかない ページ32
翌日。
もし今日も松村くんが同じように帰り道に声をかけてきたら絶対に話を聞こうと心に決める。
昼休みまで松村くんには会わなかった。
それが普通だ。
なのになぜ、今まで毎日帰りに会っていたのか。
どうしてちゃんと疑問を持たなかったんだ私。
そういえば、今日は樹の姿も見えない。
寝坊かな。
なんて呑気に考えていたら、数人の女子が駆け寄って来た。
あ、この人達よく樹のグループにいた……
「ちょっと、瀬戸さん！樹くんどこ！？」
物凄い勢いで詰め寄られて唖然とする。
思わず、持っていたお弁当を落としそうになるくらい。
「えっと、え？」
「樹くん！今日は一緒じゃないの！？」
「樹？一緒じゃないけど……ごめん」
思わず謝る。
だけど、目の前の女子達の剣幕は凄さを増すばかり。
「じゃあ、樹くんに彼女ができたのは本当？？」
「え？」
思いもよらない言葉に、思考が停止する。
私の状況なんかおかまいなしに彼女達は喋り倒す。
「樹くん、最近付き合い悪いなぁと思ってて、飲みに誘っても用があるからの一点張りで。それでこの間、あとを付けてみたら女と一緒にいるとこを見て」
「……」
「すごい親密な感じだった。あんなにぴったりくっついてるの、相手は瀬戸さんしかいないと思ってたのに。でも瀬戸さんは最近よく松村くんと一緒にいるから……」
「……えっと」
「瀬戸さんじゃないなら誰よあの女！」
「……」
「ねぇ、瀬戸さん、何か聞いてる？」
彼女達の視線が痛いほど突き刺さる。
だけど、私は首を横に振るしか出来ない。
「ごめん、知らない……」
「本当に？」
「ねぇ、もうやめよ。いくら幼馴染でも知らないことだってあるよ。ごめね、急に」
一番背の高い子が、申し訳なさそうに制止する。
「だって、納得いかないよぉ！瀬戸さんじゃないなら誰なの！？瀬戸さんだったら私だってこんなに文句言わないもん！」
「相手が瀬戸さんでも、そうじゃなくても、あんたは一度振られてるんだから諦めなさい。友達でいてくれてるだけ有難いでしょうよ」
「そうだけど……。樹くん、男子が瀬戸さんの話をすると手出すなってすっごい怖い顔して怒るから、絶対に相手は瀬戸さん以外ありえないと思ったのに……」
呆然と彼女達の話を聞いていたら、後ろから聞きなれた声がした。
「ごめん、ちょっとコイツ借りる」
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きい(プロフ) - いつか続きが読めるのをお待ちしてます！ (2月26日 4時) (
レス) @page38 id: ee589dc596 (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - 何度も繰り返し読んでしまうくらい大好きな作品です！いつか続きを知れる日を心待ちしています！ (5月15日 1時) (レス) id: 5cd2a49fca (このIDを非表示/違反報告)
ﾘﾝ(プロフ) - ず〜〜〜っと待ってました！嬉しすぎますありがとうございます🤍 (2022年8月24日 2時) (レス) @page38 id: 5cabe62e5a (このIDを非表示/違反報告)
arisa.(プロフ) - 更新待ってました嬉しすぎます😭 ちょっとずつで大丈夫なのでまた更新して下さると嬉しいです＾＾ (2022年8月24日 1時) (レス) @page38 id: ab602fbbda (このIDを非表示/違反報告)
たなか(プロフ) - 2016年からずっと読んでますまた更新嬉しすぎましたありがとうございます😭 (2022年8月24日 0時) (レス) id: 11c1363eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HARU
| 作成日時：2019年1月4日 0時
