166.ここにいる理由 ページ23
にこにこしながらハンバーグを頬張る樹。
今日は機嫌がいいみたい。
未だに固まりつつあるなおちゃんに、そっと声をかける。
「なおちゃん、食べ終わった？一回部屋に戻ろうか？」
「う、うん……。ご馳走様でした」
「何、もう終わり？俺まだ食べ始まったばっかりなのに？」
「別に樹は関係ないんだからゆっくり食べてたらいいでしょ」
「うーわ、今の聞いた？優しさのない奴〜！」
「本当に！樹くんがかわいそうじゃない！我が娘ながら優しくない奴！」
「お母さん、もっと言ってやって！」
樹がお母さんに同意を求めて、お母さんもそれに乗っかった。
「もう！2人してうるさいなぁ！お母さんが相手してあげたらいいでしょ！いこ、なおちゃん！」
まだブーブーいう樹とお母さんの声は聞こえないフリしてなおちゃんを連れて自分の部屋に駆け上がる。
ベッドに腰を下ろしてため息を吐いた。
「ごめんね、騒がしくて。ちっともゆっくりできないね」
「ううん。色々とびっくりすることばっかりだったけど、賑やかでいいね」
なおちゃんも、ようやく落ち着いたのか微笑みながらラグの上に座った。
それから、思い出したように手を合わせる。
「あ、そっか。Aちゃんと樹くんって幼馴染だったよね？」
「うん。あのね、樹と私、家が隣同士なの。だから小っちゃい頃からよくご飯はどっちかの家に食べに行ったり来たりすることが多くて」
「なるほど…、それでかぁ！急に樹くんが来たから驚いたよ〜」
「だよね。私もまさか今日来るとは思わなかったよ」
「本当に、仲良いんだね」
「……まぁ、幼馴染だからね、成り行きで」
ああ、もう何度目だろう。
幼馴染だからって言葉を口にするたび、息が詰まりそうになる。
何か別の話題ないかなって考えてたら、なおちゃんが口を開いた。
「Aちゃん。私がここにいる理由、樹くんには言わないでね」
「え？」
「……元カレのこと、あんまり人に知られたくなくて……」
なおちゃんの声が小さくなる。
そうだよね。
元カレにストーカーされそうになってるなんて、そんな簡単に人に言える話じゃない。
俯くなおちゃんの手を握る。
「約束する。誰にも言わない」
「……Aちゃん」
「ただ、私達の力ではどうにも解決できそうにない時は、その時はちゃんと大人とか警察に相談しよう」
「……うん」
お互いに、約束、といって指切りをした。
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きい(プロフ) - いつか続きが読めるのをお待ちしてます！ (2月26日 4時) (
レス) @page38 id: ee589dc596 (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - 何度も繰り返し読んでしまうくらい大好きな作品です！いつか続きを知れる日を心待ちしています！ (5月15日 1時) (レス) id: 5cd2a49fca (このIDを非表示/違反報告)
ﾘﾝ(プロフ) - ず〜〜〜っと待ってました！嬉しすぎますありがとうございます🤍 (2022年8月24日 2時) (レス) @page38 id: 5cabe62e5a (このIDを非表示/違反報告)
arisa.(プロフ) - 更新待ってました嬉しすぎます😭 ちょっとずつで大丈夫なのでまた更新して下さると嬉しいです＾＾ (2022年8月24日 1時) (レス) @page38 id: ab602fbbda (このIDを非表示/違反報告)
たなか(プロフ) - 2016年からずっと読んでますまた更新嬉しすぎましたありがとうございます😭 (2022年8月24日 0時) (レス) id: 11c1363eba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HARU
| 作成日時：2019年1月4日 0時
