lovin' (ページ15)

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そろそろ暑さもピークに達してきた7月の下旬。

今日で1学期が終わる。

体育館に集められた俺たちは

校長先生の話を長々と聞かされる。

しかし、暑さのせいでそれどころじゃない。

汗でシャツが身体にはりついて気持ちが悪い。

外では、蝉の声がけたたましく鳴り響いている。

終わりそうもない校長先生の長話にうんざりしながら、

俺は校長先生から視線をずらす。

少し離れたところで気だるそうに立っている樹先生。

教師らしくないその態度になんだか笑みがこぼれ、

少しだけこのウザったい暑さも忘れる。

ちなみに今も変わらず週一で補習をしている。

アピール頑張るぞ、と意気込んでいた俺だったけど

特にまだこれといった進展はない。

まあ、あれから1ヶ月程しか経っていないししょうがないか、と思うことにする。

しばらくそのまま見続けていると、

ふと先生と目が合う。

これだけの数の生徒がいる中、俺と目が合ったことに驚きながらも

単純な俺は、ちょっとだけ自惚れてしまう。

すると、いつかの授業のように

「まえむけ」と口パクで言ってきた。

俺も負けじと

『せんせいこそ』と対抗する。

そんな俺に、フッと笑った先生は
何も無かったかのように前を向き直す。

何今の笑顔…反則だろあれは…

先生が逸らした後も、
俺はしばらく目を離せなかった。

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