5 独り ページ5
Aside__
裕貴さんがお仕事に行ってすぐ。
私はなるべく生活感を出さないように過ごしていた。
裕貴さんが家を出た時と変わらないような外見を装う。
カーテンをしめて、明かりを消して、なるべく音も立てずに。
もし何かあって私だけバレることになったら裕貴さんが大変。
私がここに居ることは裕貴さんが決めて公開することだと思う。
まぁ、公開する前に私は居なくなってるかもしれないけどね。
『何からしようかなぁ』
料理、洗濯、掃除、、
『明るい内に全部やらなきゃ…』
それから私は暗くなる前にすべての家事を済ませた。
時刻は午後5時。
段々と日が落ちてゆく。
『ん〜〜〜〜〜疲れたぁ』
こういう時、裕貴さんはいつも「ありがとうね、こっち来て一緒にコーヒーでもどう?」と、言ってくれる。
ソファに横になり家全体を見渡す。
裕貴さんの家は白で統一されてて、とても綺麗。
部屋の、裕貴さんの香りもここ何日かで落ち着けるようにもなった。
最初はもう変態じゃないかってくらい緊張しまくってたなぁ…笑
『ふぁ〜…眠たい…』
瞼も段々と意志を持ったように落ちていく。
頭の中では裕貴さんのことばっかりだった。
ピリリリリリ…ピリリリリリ…
『んっ……?』
電話の音で目を覚ます。辺りはもう既に暗くなっていた。
テーブルの上に置いてあったスマホが光を灯しながら震えている。
『だれだろ…』
画面の眩しさに目を凝らしながら見ると、そこには“裕貴さん”の文字が。
ハッとして咄嗟に通話ボタンを押す。
『も!もしもし!』
梶““もしもーし。何かやってた?””
裕貴さんの優しい声
『あっいえ、疲れて眠ってたみたいです…』
梶““そっか…よかった、無事だったね””
『裕貴さん……』
梶““ん…?どうしたの?””
『……いえ、やっぱ何でもないです』
梶““…寂しかった?””
『へ…?』
見透かされてる気がした。
裕貴さんはいつもそうかもしれない。
梶““大丈夫、すぐ戻るから。今日ね一人が急病で出れなくなったんだよね、それでイベントは延期になったんだ””
『それじゃあ…』
梶““うん。もう帰ってきてるからほんとに、すぐ着くよ””
裕貴さんが帰ってくる…
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カナリア - 続き待ってます (2018年8月27日 15時) (レス) id: 30bbe2ba04 (このIDを非表示/違反報告)
朱理 - 面白いです!!続き待ってます♪ (2018年8月13日 22時) (レス) id: 73dcae6f85 (このIDを非表示/違反報告)
miume - 続きを待っています!頑張って下さい♪ (2018年5月21日 11時) (レス) id: 3d68d48b33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜 | 作成日時:2018年1月24日 20時