26 互いの気持ち ページ31
Asaid
裕貴さんが今部屋の前にいる。
電話の時と違ってとても柔らかな声。
私は、この声に恋をしたのかな。
このドアの先に裕貴さんがいると思うと、今までになかった想いが込み上げてくる。
裕貴さんと、一生一緒に。
梶「A…ドア、開けなくてもいいから聞いてくれるかな」
せつない声。
前まで聞いたことあったかな。
梶「さっきAのおばあさんから聞いたんだ
A、お兄さんが亡くなってた、って……
俺、Aに謝らないといけない」
謝るって何をだろうか。
裕貴さんは私の為にたくさんのことをしてくれたのに。
梶「俺、Aと一緒だって、言ったんだ
同じ状況だって。
でも、Aは、ご両親を亡くしてて、更にはお兄さんまでもいなくて…
全然、俺と一緒じゃない……
Aの方が色んなもんを背負って生きてたんだ…
俺なんかがAと一緒にいていいのかなって今でも思う
初めてAが俺の家に来た時からずっとだ…
俺、Aが大好きで愛してるから…Aの好きなように生きてほしいって思うのに……
Aを離したくないとすら思う…
俺……俺、Aを幸せにしたい…
でも…それがAの幸せじゃないのかもって思ったら……………俺っ………」
『幸せです…!!』
冷たいドアノブに手をかけ、ドアを開いてそう言った。
『裕貴さんとじゃないと嫌です…!!』
裕貴さんは、泣いていた。
いつから泣いていたんだろう。
泣いてることを知られないように声も作っていたのかな。
体がすごく震えていた。
私のせいで…。
『裕貴さん…泣かないでください…
裕貴さんが泣いていたら、誰が私の事笑顔にさせてくれるんですか…?』
梶「ごめん…っ……」
『裕貴さん』
震えている体に手を伸ばし、指で涙をすくう。
『私も嘘ばっかり言って、いろんなこと隠しててごめんなさい
裕貴さんといたくないっていうのも嘘です…
私の幸せは裕貴さんといる事…だから……っ
これからもっと…迷惑かけることになりますし…面倒くさいやつになるかも…しれません…
こんな私でもいいですか……っ…?』
裕貴さんはずるいな
もう泣き止んでる
私の涙を見たら泣き止むってどんなにいい人なんだろうか
逆に私が泣いちゃったよ……。
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カナリア - 続き待ってます (2018年8月27日 15時) (レス) id: 30bbe2ba04 (このIDを非表示/違反報告)
朱理 - 面白いです!!続き待ってます♪ (2018年8月13日 22時) (レス) id: 73dcae6f85 (このIDを非表示/違反報告)
miume - 続きを待っています!頑張って下さい♪ (2018年5月21日 11時) (レス) id: 3d68d48b33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月夜 | 作成日時:2018年1月24日 20時