貴方に捧げる人生【梶裕貴】 (ページ30)

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梶side

祖母「Aをあんたに任せたい」

一瞬驚いたけど、俺の気持ちは変わらない。

Aを愛し、Aと一生を共にしたいと思っていた。

祖母「私はもうそんなに長くない、Aを守ってやれる時間も体もないんだ…

それに、あの子にはあんたといた方が幸せなんだろ」

梶「っ……」

祖母「Aを貰ってくれるかい……？」

梶「…っ……ご両親…お兄さん、そしておばあさん……Aの為にも…、Aを守り抜きます…っ…」

ご両親にした誓が、今こうして届いた気がした…。

俺がAにしてやれることは限られている、それでも将来のAの為に…。

祖母「ありがとう…安心して孫離れができるよ…

Aの過去を知ってもらいたい、聞いてもらえるかい…？｣

梶「過去……Aと一緒に聞かせて欲しいです…」

祖母「あぁ、Aなら上だよ、部屋はひとつしかないから、そこにいるよ」

梶「ありがとうございます…」

古びた扉、廊下、階段……。

ところどころ子供が書いたような落書きがある。

昔Aがお兄さんと、書いたのかな。

隣の絵を真似して書いたような…。

階段を上がるとひとつの扉に

【おにいちゃんとAのおへや】

と書いてあった

昔のままという雰囲気が伝わる

梶「A、迎えに来たんだ、開けてくれる？」