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彼女のスマホの待ち受けは
お母さんとのツーショット
ギャラリーを覗いて
その人がお母さんだと知った
母の日にカーネーションを
プレゼントして
幸せそうなツーショットだった
キャップも被らず
マスクもせず
伊達眼鏡もしていない
素の俺にAさんは
1歩引いてから尻もちをついた
「わっ!! 大丈夫？」
手を差し出すと
遠慮がちにその手を取って
立ち上がりあわあわなってる
やっぱり可愛い
やっぱり惚れてた
「色々、大丈夫？」
A「あ、えっと･･･えっと･･･」
「一旦、深呼吸しようか」
素直にスーハー言って
深呼吸したAさんは
深呼吸のために一度離した視線を
俺に戻して、またあわあわなってる
「どうすっかな」
A「す、す、スジュ？ですか？」
「はい」
A「そっくりさんとかじゃなくて？ですか？」
「本人」
A「夢？」
「現実」
A「どうしよう･･･」
「なにを？」
A「やば」
「( -ω- `)ﾌｯ。ちょっと落ち着いた？」
A「･･････はい」
目の前にいる俺に
そっくりさん？夢？
笑える
まぁでも、だろーな。
「大丈夫？」
A「えっと･･･何が･･･でしょうか？」
「色々」
A「あ･･･」
現実に勢いよく引き戻されて
涙を浮かべたAさんは
震える声で笑いながら
「大丈夫です」と言った
抱き締めそうになったけど
必死に堪えてスマホを差し出した
「ごめんなさい」
A「え？」
「日記、読んだ。写真も見た」
A「あー、そうですか」
「ん？」
A「え？ええぇぇぇぇっっ!!」
「ごめんなさい。
ロックされてなくて、つい」
A「ついって･･･」
受け取った
折りたたみのスマホを
その場で開いたAさんに
もうひとつお知らせ
「お詫びにセルカ何枚か撮った」
A「え」
「俺の連絡先も登録した」
A「は？」
「連絡していい？」
A「な、な、なんの連絡でしょうか？」
「また会いたいから」
A「(///ω///)」
「じゃあ、そゆことで。
元気出せ。お母さんの代わりには
なれないけど、俺が笑わせてやるから」
唖然とするAさんを放置して
俺は急いでスタジオに戻った。
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作者名：さるるん
| 作成日時：2024年3月8日 13時
