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行きとは違って
音楽も流れず
帰り道は静かな車内だった
対向車のヘッドライトが
眩しくて、何度も文句を言いながら
1人寂しいドライブを終えて
俺はベッドにダイブした
会えなかった
束草に着いて
指定されたカフェで
丸1日待っていたのに
会えなかった
電話も繋がらない
トークアプリで
メッセージを送ったけど
既読にすらならない
会ったこともないのに
振られた気分だ
まぁ気晴らしに
ドライブしたと思おう
そう思いなおして
シャワーを済ませると
ベッドに潜り込んだ
明日、マネヒョンに頼んで
マネヒョンから返してもらおう
何を勘違いしてたんだと
急に我に返った
翌朝、爆睡して目覚めた俺は
シャワーをしてから
日課のSNSを更新するため
スマホを開いた
「また間違った」
手にしていたのは
彼女のスマホ
「ん？」
メッセージが1件
A“ごめんなさい。
実は母の体調が悪くて来ていて
母の傍を離れられないです”
･･････。
まさかと嫌な予感がした。
“今、メッセージ見ました。
お母さん、大丈夫ですか？”
朝早く送ったメッセージに
返信があったのは3日後の夜遅くで
A“電話してもいいですか？”
まだスケジュールの途中で
スタジオにいたけど
外に出て電話を掛けた
A『もしもし』
「大丈夫ですか？」
A『･･･はい』
「お母さんは？」
A『えっと･･･亡くなりました』
やっぱり。
大好きなお母さんなのに
お父さんも早くに亡くして
お母さんまで･･･。
「今どこ？」
A『さっき帰って来ました』
「住所、送って」
A『え？』
返事を待たずに
電話を切ると
スタジオに戻って
すぐ戻ると言い残して
駐車場の車まで走った
車に乗り込むと
ちょうどAさんから
住所が送られてきた
近いな。
ナビに住所を入力して
Aさんに会いに行く
1人にしたくない一心で。
30分も掛からず
Aさんのマンションに着くと
マンションの出入口付近に
女の人が立っていた
「こんばんは」
A「こんばんは」
「やっと会えたね」
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作者名：さるるん
| 作成日時：2024年3月8日 13時
