スマホを拾って恋をした -DH- (ページ36)

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色んなことが
いっぺんに起きた

頭の整理が追いつかない

1人で部屋に戻り
ベッドに座ったまま
電池を抜かれたおもちゃみたいに
動けなくなった。

日が落ちて
部屋が真っ暗になったのにも気付かず
ボーッとしていたら
急に電気がついて驚いた

「イェソンヒョン」

YS「殴ったところ冷やした？」

「あ、いや、忘れてた」

YS「ウォニなら大丈夫だから」

「よかった。ほんとにごめんなさい」

YS「お前には話しておかないとな」

「え？」

イェソンヒョンは
ベッドに座っている
俺の隣に座ると

静かに話し出した

Aがウォニヌナに連絡をした

イェソンヒョンの奥さんだと知ってて
イェソンヒョンに会いたくて

俺がいつも2人の話をしてるから
2人なら俺を説得してくれると思ったと

別れ話

俺の顔を見ると
できないから

やっぱり芸能人だった

待つことばかりなのに
時間ができると
急に訪ねてきて
毎日が緊張の連続だった

だんだん、好きな気持ちより
不安とか恐怖が大きくなって
俺の笑顔を見るのが
辛かった

YS「泣いてたよ」

「そっか」

YS「どうする？」

「どうするも何も」

YS「それでいいのか？」

「いいよ。受け入れる」

YS「ほんとにそれでいいか？」

「･･････よくないけど」

YS「俺も何回も諦めよう、受け入れようって
そう思ったんだ。でも、諦めるのも
受け入れるのも簡単じゃなかったぞ」

そうだよね。

そんなのわかってる

でもさ、だってさ
じゃあどうしたらいい？

YS「ちゃんと話し合え」

「･･･会ってくれるかな」

YS「会うさ。まだ好きだから」

「･･････」

YS「好きだから辛いんだと俺は思ったけど？」

「･･････連絡してみる」

YS「電気つけとくぞ」

「うん」

YS「じゃあな」

「ヒョン、ありがと。あと、ごめん」

YS「謝るのはウォニにだな」

「うん」

イェソンヒョンから聞いた
Aの話は
重かった。想像を超える重さだった。

でも、諦めるのも
受け入れるのも
まだ先だ。

ちゃんと会って
話をしよう。

スマホを取り出して
トークアプリを開くと
Aにメッセージを送った

“俺たち、ちゃんと話そう”