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Aの顔の下あたりにある
俺の腕に、Aは顎を乗せると
右手でそれを掴んで
抵抗せず抱きしめられていた。
受け入れてもらえたのかなと
期待した俺は
シャンプーのいい香りがする
Aの頭に小さく口づけをした
しばらく無言で海を眺めていたけど
風が冷たくなってきて
「行こうか」と声をかけた
また手を繋いで
車まで歩き
助手席にAを乗せると
エンジンをかけて
「ちょっと待ってて」
そう言うと目の前のカフェに向かう
あったかいカフェラテを2個
車に戻って渡すと
Aは
柔らかく微笑んで
「ありがと」と言った。
天然なところも
お仕事に対する姿勢も
周りに気を使ってるとことか
小さい手とか
目を伏せながら柔らかく微笑むとことか
すぐに「ごめんね」って言うし
とにかく大好きで
Aが俺の彼女だったらいいのにと
心の底からそう思う
「寒くない？」
A「うん。平気」
「ほんとかよ」
A「鼻の頭、赤いよ」
あ、ダメだ。
見つめないようにしてたのに
キスしたくなるから
見つめてしまった。
赤くなった鼻の頭を
恥ずかしそうに触るA
その手を取ると
ゆっくり顔を近付けた
何事かと驚いているAは
俺の唇が、Aの唇に触れる前に
手で俺の唇を止めた
A「帰らないと遅くなるよ」
「俺の事、嫌い？」
A「･･････」
「キスしたい」
A「私の事が好き？」
「は？」
A「好き？」
「うん。すげぇ好き。大好き」
A「なんで？」
「なんで？」
A「何回かしか会ったことなくて
なんならちゃんと話したの
今日が初めてだよ？」
「そうだけど･･･」
A「寝たいだけなら他の女にして」
怒っていた。
Aが怒って車を降りた。
どこかに向かって歩いて
車から離れて行く
しかも車の進行方向じゃなくて
後ろの方向に
サイドミラーに映るA
急いで車を降りて追い掛けた。
「なんで？ってなんだよ」
Aの腕を掴んで
そう声を掛けたけど
振り向いてさえくれない
ああ、ダメだと心が折れた
「送るから」
そう言って強引に助手席に乗せ
車を発進させた
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作者名：さるるん
| 作成日時：2024年3月8日 13時
