スマホを拾って恋をした -DH- (ページ11)

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返信が来ないまま
出番になって
スマホはカバンに入れて
スタジオに向かった

何回もミスっちゃって
時間がかかったのと
自分の情けなさに項垂れて
メッセージのことを
すっかり忘れてしまっていた。

その日のスケジュールを
全部終えて、自分の部屋

やっとスマホを見て思い出した。

A“連絡するなと言っておいて
本当に申し訳ないんですが
お願いがあって連絡しました”

お願い？なんだ？

“電話しようか？”

メッセージでやり取りするのが
面倒で電話すると送ったら
Aの方から掛かってきた。

「もしもし」

A『こんばんは。
すみません･･･忙しいのに』

「平気だよ。なに？」

A『あのですね･･･』

「うん、なに？」

A『･･････』

「そんな言いにくいこと？」

A『一晩、泊めてくださいっ!!』

突然のでかい声に
思わずスマホを耳から離した。

泊めてください？だと？

「ビックリした」

A『すみませんっっ!!』

「何があったの？」

A『えっとですね･･･』

彼女は事情を説明してから
というわけで、泊めてもらえませんか？と
また言った。

「(；－ω－)ｳｰﾝ」

A『ですよね。ダメですよね。
大丈夫です!! すみませんっっ!!』

電話、切れたし。

泊めるのは躊躇われる
でも･･･どうすんだろ。

彼女曰く、
今住んでいるマンションから
引越しをする予定で
新しいマンションを契約した。

手違いがあって
今のマンションの契約が今日までで
新しいマンションが明日からだから
今日、寝るところがない。

しかもホテルに手当り次第電話したけど
どこも満室で困り果てている。

でもなぁ･･･。

(；－ω－)ｳｰﾝ。

「もしもし」

A『はい』

「おいで」

A『あ、いや、大丈夫です!!
よくよく考えたら
ものすごく迷惑ですよね。大丈夫です』

「おいで」

A『･･････』

「てか、迎え行く。どこ？」

まだあの時、スマホを返した時の
マンションの近くだと聞いて
迎えに出向くことにした。

この時は思っていた
俺の部屋に泊まってもらって
俺が出ればいいと。