その彼女が、俺の彼女です 2nd -JK-

story 62 ページ19

「どこか寄る？」

A「どこかって？」

「少し走らせたら海あるよ」

A「夜だし、人いないかな」

「いても見えないでしょ」





てな流れで海辺でデートの続き





真っ暗だけど幸い空には星があって
月も綺麗に輝いていた






人もあまりいなくて
手を繋いでゆっくり散歩できた






早めに彼女の家に着いてしまい
まだ駐車場にはスタッフの車






仕方なく彼女だけ降ろして
車は近くのパーキングに駐車
ビルまで一人でとぼとぼ歩いた






でも見上げると
空には海辺で見たあの月が浮かんでて
心地よい幸せで俺の中は
いっぱいだった







アトリエに直行すると言った彼女が
俺の後から部屋に入ってきて
「おかえり」と言うと
なんか変な感じだと
彼女は幸せそうに笑った。







明後日からアメリカに行く







しばらく会えないから
思いっきり愛し合って







翌朝、まだ空が暗いうちに
宿舎へと戻った。







まだあの月が空に残っている時間に。







みんなが起きてくる前に
一番大きいスーツケースに
いつもの荷物を詰めて







詰め終わる頃
みんなが起きてきて
用意を済ませると出発








今回はイベントとか
雑誌の取材とか
スケジュールがめいっぱい入ってて
5泊7日の日程







なるべく寂しい思いをさせないようにと
暇さえあればメッセージを送り
タイミングが合えば電話で話すようにした







長い長い1週間だった。







アメリカから帰ってきた日







一旦宿舎に帰り
荷物はそのままに
お土産を手に彼女に会いに
車を走らせた







まだ明るい時間







彼女はきっと仕事中






車を走らせながら何度も連絡したけど
電話が繋がらない






忙しいのかなと最初は思ったけど
ビルの前に着いて
スタッフの車が１台もなくて
不安が一気に押し寄せた






車を適当に停めて
階段を駆け上がる






オートロックを振るえる手で解除して
部屋に駆け込むと






A「おかえりー」

と、彼女が満面の笑みで迎えてくれた。






「え？」

A「どうしたの？」

「車が１台もなくて･･･」

A「グクが帰って来る日だからお休み」

「･･････会いに来れるように？」





うんうんと照れくさそうに頷く彼女を
痛がるほど抱きしめた。

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