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用意を済ませて
向かった事務所。
練習室に入ると
既に来ていたダンサーの面々。
JM「メンズだけ」
「確かに」
JIN「誰かのせいで警戒されてんな」
TH「俺そういう言い方きらーい」
JIN「ごめん、ごめん」
愛されてんな・・・俺。
ひと通り振り付けを習うと
次はフォーメーションの練習。
朝から始めて
途中、休憩を挟んで
終わったのは23時を過ぎていた。
JH「お疲れ様でしたーーっ」
ヒョンのひと声で
バラバラと帰り支度を始めた
ダンサーの人達とメンバー。
数人がシャワーを浴びに
ドアを開けた時だった。
ダンサ-「あ、こんばんは」
?「こんばんは」
ダンサ-「おーーい!! ハル!! 来てるぞ!!」
HR「入ってもらってーーー」
大きな部屋の隅での
そんなやり取りを
なんとなく聞いてたけど
次の瞬間、部屋に入ってきたのは
Aだった。
HR「悪いな」
A「終わったの?」
HR「おー。シャワー帰ってからでいいよな」
A「いいんじゃない」
HR「じゃあ、俺お先っ!!」
ダンサ-「おつかれーー」
何が起こったのか
すぐにはわからなくて
ただぼーっと
2人の残像を追っていた。
TH「今のって・・・だよな?」
「だったね」
TH「ヒョン!!」
ダンサ-「お?なに?」
TH「今の女の人だれ?」
ダンサ-「あー、Aちゃん?」
TH「前に一緒に仕事したことあるんだ」
ダンサ-「ハルの奥さんだよ」
「は?」
ブイヒョンの後ろで
話を聞いていた俺は
足の力が抜けて
その場に座り込んだ。
ダンサ-「え?大丈夫?」
TH「あー、大丈夫っす」
ブイヒョンに支えてもらって
立ち上がると、練習室の奥にある
ソファに座らせられた俺は
躊躇うことなく
涙を流した。
俺の中でまだ消えずにいたAは
俺が苦しんでいた1年の間に
他の誰かの奥さんになっていたなんて
想像もしなかった・・・。
息が苦しくて
胸が痛くて
ただ、ただ、辛かった。
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作者名:さるるん | 作成日時:2021年2月24日 23時