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story 59 ページ10

その場に立ち尽くした。








テテに無視されて
時が止まったように
その場に留まった。









飛び込むべきだった
あの胸に。









後悔しかない。









心臓はさっきからずっと
大きな音をたてている。









テテを傷付けた。









どのくらい
その場に留まっていたんだろう。









外は真っ暗になっていて
社内は非常灯だけが
灯っていた。









?「・・・・・・あのぉ」

「・・・・・・はい」

?「警備員ですが、ここで何を?」

「・・・あ。本社から来ました」

警「そうですか」

「荷物を取ったら、すぐ帰ります」

警「正面玄関は既に施錠されています。
お帰りは裏口からどうぞ」

「ありがとうございます」









足を動かしてみてわかった
随分長くそこに留まっていたんだと。








足が痺れてて
上手く動かせなかった。









オフィスのデスクに向かい
パソコンを鞄に入れると
目に入ったのは
見慣れない・・・いや、見慣れた
ペンケース。









「・・・・・・これ」








確か・・・入社試験の時に・・・。









なんでココにあるんだろ。









とりあえずパソコンと一緒に
鞄に放り込むと
オフィスの棚にあった空箱に
処分してもらうものを詰めた。








箱の外側には
付箋を貼った。









“短い間でしたが、お世話になりました。
箱の中身は処分して下さい”









テテを傷付けて
グクを翻弄して
お世辞にもいい先輩とは
言えない先輩だったわね。









「・・・・・・ごめんね」








誰もいないオフィスで
声にならない声で
呟くと、涙が溢れて
その場に崩れた。









「・・・・・・ウッ・・・・・・ごめん」








意識が飛びそうなほど
胸が苦しくて、痛かった。








自業自得。








誰にも言い訳もしてはならないし
助けも求められない。









存在を消してしまいたい程の
心の奥の痛みに
悲しくて、辛くて
流れる涙を止めることは
出来なかった。









フラフラと会社の裏口から出ると
数ヶ月、お世話になった
マンションに向かうため
タクシーを停めて乗り込んだ。








マンションに着いて
部屋の灯りを付けると
電池が切れたように
その場に倒れ込んだ。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , KーPOP   
作品ジャンル:恋愛
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さるるん(プロフ) - BeBeさん» ありがとうございます!!ちょっとドロドロになりますがお付き合いくださいね!! (2019年12月7日 21時) (レス) id: 06617cdfda (このIDを非表示/違反報告)
BeBe(プロフ) - 凄く、凄くテヒョンの性格が大好きです!!!!グクの子供っぽい所も!!更新楽しみにしています(^-^) (2019年12月7日 13時) (レス) id: eeaa1b2b6c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さるるん | 作成日時:2019年11月17日 1時

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