story 10 ページ10
椅子の背に
体重を預けてしまっていた私。
その瞬間に
テテと目が合って
椅子ごと倒れそうになった。
TH「おいっ!!」
「わあっっ!!」
TH「あぶねっ」
テテが
椅子を支えてくれて
倒れずに済んだ･･･けど。
近くないですか？
TH「いい匂い」
「は？」
TH「キスしていい？」
「んなっっ!!」
驚きすぎて
突き飛ばした･･･。
せっかく助けてくれたのに
デスクの角で
腰を強打したテテと
支えてくれていた
腕が無くなって
豪快に椅子ごと倒れた私。
「いったーーーーい!!」
TH「ガキかよ。いてーな」
「ガキって･･･」
TH「ほら」
差し出された手。
その手を取ろうと
手を伸ばすと
横から出てきた他の手に
掴まれた。
JM「なにやってんの？」
TH「伸びしたら豪快に倒れた」
JM「大丈夫？先輩、怪我してない？」
「う、うん。大丈夫」
なんか･･･気まずい･･･。
「さーてと。お腹すいたし帰るね」
JM「え？まだ終わってないよ？」
「後は任せたっ」
TH「なんでだよ」
「お姉さんは帰ります!!」
TH「意味わかんね」
「明日、早朝会議あるし、ごめんね」
JM「そうだったね。いーよ」
「じゃっ」
荷物を手に
足早にエレベーターに向かうと
エレベーターの前で
大きく息を吐いた。
さっきのアレ･･･なんだったの？
キス･･･？
あんなイケメンに
目の前であんなこと言われちゃあ
ドキドキするでしょ。
心臓･･･飛び出すかと思った。
年下なんて
眼中になかったのにテテは
一瞬で私のど真ん中を捕えた。
明日、どんな顔して
会えばいいのよ･･･。
早朝会議で良かった･･･。
昼まで会わないし。
昼からは研修で
彼らとは1日別行動。
1日経てば
リセットされるでしょ。
まったくもう･･･。
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作者名：さるるん
| 作成日時：2019年10月22日 21時
