社内恋愛 BTS編 (ページ44)

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story 44 ページ44

去って行こうとする
テテを追いかけようとしたのに
ググに腕を掴まれて
追いかけられなかった。

JK「行くよ。ヌナ」

会社に向かって
私の手を取ったまま
どんどん進んでいく
グクの後ろ姿。

それは怒っているようにも見えた。

そうよね。

受け入れられないと
壁を作ったのも
追いかけて来たテテを
傷つけたのも私。

「グク」

JK「なに？ヌナ」

「今日は･･･休もうかな」

JK「一緒にサボる？」

「グクは行きなさい」

JK「やだ。1人にしない」

「大丈夫だから」

JK「俺が大丈夫じゃない」

「新入社員のクセに休めないでしょ」

JK「大丈夫!! 御曹司だから」

「なにそれ」

JK「ほら、行くよ」

マンションからは
腕を掴んでいたのに
その手を放すと
手を繋いで歩き出したグク。

大田に来て
出掛けてないことを知って
あちこち連れていってくれた。

大田駅近くの繁華街。

伝統あるお寺。

夕方、陽が落ちる頃に着いたのは
木尺橋だった。

JK「綺麗でしょ」

「うん」

JK「よく来るんだぁ」

「1人で？」

JK「内緒」

河原にあるベンチに座ると
グクは静かに口を開いた。

JK「俺はさ、いらない子なんだぁ」

「ん？」

JK「お爺さんが財閥でさ
俺の母さんはその娘なんだけどさ
俺には父さんがいないんだ」

「え？」

JK「だからかな、
みんなテヒョニヒョンばっかり」

「グク」

JK「テヒョニヒョンと一緒に
ソウルの本社に入ろうとしたんだ」

「そうなの？」

JK「でもダメだって」

「誰が？」

JK「お爺ちゃん」

橋の向こうに
沈みかけた夕陽が
グクの茶色い髪の毛を
赤く染めて
綺麗だった。

目が離せないほどに。

JK「ヌナのこと知ってるよ」

「私の何を？」

JK「生い立ちとか？
過去の人とか？今に至るまでの経緯」

「なんで？」

JK「ジヒョヌナから聞き出した」

「･･････そっか」

JK「好きになったなら
抱き締めて離さないでねって」

ジヒョとミヨンには
酔って生い立ちを
話したことがある。

大切な友達。

JK「ヌナ、大好きだよ」

「･･･グク」

JK「俺は、ヌナを1人にしない」